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日常アニメの焼き加減はいかがいたしますか?レア、ミディアム、ウエルダン?「踏切時間」「ちおちゃんの通学路」「あそびあそばせ」

「日常」という言葉を調べると、”ふだん。つねひごろ。毎日のように繰り返されるさま。普段どおりであるさま。”などと1ミリも面白さが感じられない、なんともつまらない毎日を指しているかのようにも受け取れます。リアルな日常とは本当につまらないものでしょうか?リアルな日常を普段遣いで面白くすれば、この日常という言葉の意味は今後、劇的に変わるかもしれません。何年後かのイミダスでは日常とは”面白い事を毎日繰り返すさま。”となっていたら素敵かと私は妄想いたします。

アニメの世界、2次元での日常とは、まさしくその意味がまかり通る世界なのであります。なので、日常アニメ=つまらない、つれづれなる普段のお話し、ではないのです。もし、今までそう勘違いをしていたという方がいらっしゃったなら、今日限りでその思いから決別し、日常というジャンルのアニメの海へダイブすることをオススメいたします。日常は考え方次第で面白く映るものです。日常アニメには面白い視点がたくさんあります。日常アニメを観て、リアルの世界のつまりきった日常を打破してみませんか?

今回は、皆様の多種多様な趣向にできるだけマッチするように3本立てにしてみました。アニメの世界の日常=非日常をステーキの焼き加減に置き換えて、レア(ちょっと生味で知らないお味が面白い)・ミデアム(程よくバランスよく面白く焼けている)・ウエルダン(どちらの面もそれなりにカリッカリに面白く焼けている)でお楽しみくださいませ。

まずは本日の1枚めのアニメの焼き加減、レアなアニメは「踏切時間」です。

このアニメはショートストーリーという1話5分枠のとても短い作品集となっております。全12話ございますが、オムニバス形式で8つの物語で構成されています。内4つは別な回でその続きが再登場します。タイトルの通り、遮断器が降りた踏切の前で繰り広げられる、様々な人々のちょっと風変わりなエピソードが描かれているといった、ややレア話しが集められています。女友達同士、女生徒と男性教師、兄と妹、初恋を思い出した中年サラリーマンと初恋相手の娘、イケてないイガグリ頭の男子高校生とちょっとエロい同級生女子などなど組み合わせは実に様々。

踏切の遮断器が上がるまでの束の間に、青春や芸術、エロス、初恋に関するお話などが盛り込まれています。踏切前という、本来”手持ち無沙汰な時間の中”で、想像を越えた、まばたきが出来ないくらいに興味深いドラマがあったりなかったり。人生には片時も無駄な時間なんてありはしないと言わんばかりにそのストーリーたちはいろいろと語りかけてきます。8つの物語を観ると、普段、何気なく世間ですれ違うおじさん、おばさん、男子、女子たちにも私が知らないそれぞれの彼ら彼女らなりのドラマが起こっているんだと思いを馳せてみたくなります。その中でも自分の人生がやはり、一番ドラマティックなのかもしれませんけど。

踏切時間1

この作品は、月間漫画誌「月刊アクション」に2016年7月号から連載中の同タイトル漫画が原作となっております。漫画家”里 好(さと よしみ)”さんの作品でコミックとしては既刊4巻まで出ています。2018年にTVアニメ化され、4月~6月で全12話が”TOKYO MX(東京都)”・”AT-X(アニメ専門チャンネル・日本全域)”のほか、”Amazonビデオ”・”RkutenTV”・”TSUTAYATV”・”ニコニコチャンネル”・”ゲオTV”などのインターネットでも配信されました。ジャンルは”日常系”。コメディというにはそれだけでは薄っぺらく、人の心の奥深さが物語ににじみ出ているような作品に映ります。アニメーション制作は”EKACHI EPILKA”。

私、個人としては、踏切での待ち時間に互いにスマホでSNSを通じて会話する兄と妹の物語が 好きです。大好きな隣りにいる兄に対して素直になれない妹の気持ちがスマホに文字で表現されるという、なんとも現代社会ならではのコミュニケーションのあり方が同時に問われる お話しです。どれも1話完結のお話しですので、気軽に味わって下さい。

オープニングテーマ「トマレのススメ/駒形友梨」


つづきまして、2枚めのアニメの焼き加減、ミディアムなアニメは「ちおちゃんの通学路」です。

”エクストリーム登校コメディ”というコンセプトのお話だけあって、通学路という1日のごく限られた時間に傾倒しながらも、その時間帯をいかに退屈しないで楽しむかが描かれた作品です。ネット対戦ゲームが大好きな女子高生が、通学路で遭遇する数々のアクシデント(向こうからやってくるアクシデントの他に自らの行動で引き起こすアクシデントも多々あり)に高い身体能力とムダに高いゲームスキルでその場しのぎにどうにかやり過ごすという、ある意味、ハラハラドキドキなとってもデンジェラスな展開に見る側もついつい引き込まれてしまう、通学路にアドベンチャー要素を垣間見る作品であると言えます。

どのくらいデンジェラスかというと、人様の家の屋根伝いに登校したり、ビルとビルの隣り合わせの壁を両手両足の4本を使って屋上まで登ってしまったり、はたまた暴走族のリーダーに成り行き上、タンカを切ってしまったりと言う次第です。

主人公の”三谷裳ちお(みやも ちお)”は、なるべく目立たないように中の下の生き方を貫いている、軟式テニス部所属の高校1年生女子である。ネット対戦ゲームが好きなためについつい夜ふかしをし、寝坊で遅刻ギリギリの登校を繰り返している。急ぎの登校の中、なぜか様々なアクシデントが彼女を襲う。遅刻をしないためにどうにかその危険を回避する行動が型破りであり、また、早めの登校の最中、自らの興味に駆られた奇想天外な行動が危険を呼び込むのである。

ちおと小学生の頃からの幼馴染である”野々村真奈菜”も、ちおと同等、中の下のポジションにいるが、彼女は今よりも上のポジションを夢見る意識高い系である。ちおのことはなんでも把握しているために、ちおと息があった行動を取ることもあるが、腹黒いので自分の利のために時にちおを裏切ったり、蹴落としたりすることがある。しかし、それはちおも同じであり、自らの危険を回避するために真奈菜を切り捨てる場合もある。しかし、お互いにそういった自分本位の行動を取られても、それを含めて根本的なところでは、つながりが深い二人なので友情は常に保たれているのだった。それは親友を越えた同志?あるいは姉妹に近い存在?

ちおちゃんの通学路1

本作品は、ほぼほぼ登下校に起こり得る事がお話しの中心で、ふたり以外にもふたりに関わる数多くのキャラが登場します。そのキャラのどれもがどこか必ず残念な部分(ウイークポイント)を持ち合わせていて、そこがそれぞれの個性を際立たせることになりつつ、等身大に映る部分が観る側の共感を得られる作品だと思います。この作品はある意味、見方によっては人の短所も含めてそれがその人の魅力だと言ってくれているように感じる作品ではないかと。人に寛容に接することが自分をも楽に生かせてくれることにつながるようにも思える作品です。 

原作は、月刊漫画誌「月刊コミックフラッパー」にて2014年5月~2018年10月まで掲載された同タイトル漫画であり、”川崎直孝”さんが描かれたものです。2018年にTVアニメ化され、7月~9月に”BS11”他で全12話が全国放送されました。”AbemaTV”などでもインターネット配信され、割りと露出があった作品です。ジャンルは”コメディ”・”学園”となっています。アニメーション制作は”ディオメディア”。

いろいろな意味でデンジェラスな要素が笑いを誘う当作品ですが、お話しの中でふたりが踊る”まななっちお”という創作ダンスは最強であり、必見です。 観る側が恥ずかしくなるぐらいのキャラに合っていない、小学生当時に考えられた可愛らしいダンスです。そして、局面で見せるふたりの顔芸にも注目です。普段の顔と変顔のギャップがかなりあって笑えますよ。そんなところもお楽しみくださいませ。

オープニングテーマ「Danger in my 通学路/三谷裳ちお(大空直美)・野々村真奈菜(小見川千明)・細川雪(本渡楓)」
エンディングテーマ「ナナイロード/三谷裳ちお(大空直美)・野々村真奈菜(小見川千明)」



最後の3枚めのアニメの焼き加減、ウエルダンなアニメは「あそびあそばせ」です。
いろんな意味でかなり焼き上がった作品ですので、面白さと引き換えに副作用の覚悟を持って視聴をお願いいたします。

こちらの作品は、オープニングテーマで本作品のメインヒロイン3人の可愛らしい姿と歌声が披露されていますが、本編の中ではかなり振り幅いっぱいな豹変した顔の作画が、あまりにもブサイクを通り越してオカルト的に見えることもあるぐらい怖いため、OP詐欺とも言われているギャップありありのアニメです。そのシーンの声優さんのアドリブもかなりぶっ飛んでいるので、観る方は心の準備をして視聴いただくことをオススメいたします。後で詐欺とは言わないでくださいね(笑)。ちおちゃんの通学路以上の顔芸を拝むことができると思います。

可愛いとブサイクと怖いの3つの顔が常に入れ替わるアップダウンの激しいアニメで、なおかつ、内容も”遊び”というカテゴリーを通してかなりシュールな内容が盛り込まれていますので、刺激がほしい方には最適な作品かもしれません。混ぜるな危険!という言葉が頭をかすめる、本来の中学生の行動レベルを越えた強い刺激臭を感じるアニメですので、決して子供と一緒に観てはいけない領域のアニメかと思われます。教育上としては絶対によろしくない作品ですので、それが許される大人だけで楽しんで下さい。

あそびあそばせ1

作品の内容は、「中学校の遊び人研究会」(通称あそ研)に所属する3人の女子中学生がいろいろな遊びに興じる日常を描いたものです。ちなみにこの”あそ研”は生徒会非認可の同好会で、勝手に空き教室で開かれています。作品のコンセプトである”美少女✕お遊戯コメディ”な内容が作品の主軸にはなっていますが、そのコンセプトのどちらも過ぎる展開が観る前の私たちの想像を越えていきます。

あそ研の1人、”本田華子(はなこ)”はお金持ちのお嬢様で、学年2位の成績優秀な生徒ではあるが、男子とは接点がなく、リア充でないためにテニス部に所属していた。しかし、テニス部の中のリア充組はすでに最初から決まっていて、リア充組はテニスなんてこれぽっちもしていなかった。運動ができる華子は試合にばかり出場させられ、男子との出会いは程遠く、求めていたリア充はそこにはなかった。そのためにテニス部はやめ、やさしいリア充を求めて他のふたりと遊びを研究する”あそ研”を作ることとなる。間違った常識を多く持っており、思考回路もちょっと変わっているため、リア充からは遠く離れている。

あそ研のメンバーの2人目は、親がふたりとも外国人だが日本生まれの日本育ちのために、全く英語が話せない外国人の”オリヴィア”である。転校して来たが、それをコンプレックスに思い、隠すためにカタコトの日本語を話している。国語は90点も取るほど日本語をよく理解して日本に精通している。日本のあそびを知らないふりして、華子とのあっち向いてホイでは華子にビンタをかましたりしている。勉強するのが嫌いで国語以外はほぼ全科目が赤点である。

そして、あそ研のメンバーの3人目は、”野村香純(かすみ)”。真面目で誠実な正確だが、壊滅的に英語が苦手で、一桁の点数をとってしまう。オリヴィアが当然、英語ができると思っていて、彼女に英語を教えてもらおうとつきまとっている。オリヴィアに日本のあそびを教えて、変わりに英語を教えてもらおうために、あそび研究会というサークルを立ち上げる。いかにも渋谷で遊んでいるリア充っぽくしたい、という華子の申し入れで、サークル名に人がついた”遊び人研究会”と名前は変更され、3人の同好会が誕生する。しかし、このサークル名は、人から見れば遊び人を研究するという、暗い、リア充でないものの集まりと受け取られてしまう。

果たして、あそ研は3人それぞれのリア充となる同好会となり得るのであろうか?

この作品は、WEBコミックサイト「ヤングアニマル」にて2015年6月より掲載された”涼川りん”さんによる同タイトル漫画が原作です。2016年からは青年漫画誌「ヤングアニマルDensi」に連載され、2018年にTVアニメ化され、7月~9月に”BS11”他で全12話が全国放送、”AbemaTV”他でもインターネット配信されました。ジャンルは”ブラックコメディ”・”ギャグアニメ”。監督は、「瀬戸の花嫁」・「月がきれい」・「結城友奈は勇者である」を手掛けた”岸誠二”さんで、脚本・シリーズ構成は、「そらのおとしもの」・「orange」・「月がきれい」の脚本・シリーズ構成を手掛けた”柿原優子”さんが担当しております。アニメーション制作は”Lerche”です。

昔の作品を愛する方の演出なのか、この作品には「ハクション大魔王」の場面展開時の"それからどしたの”が使われていたり、「ストップ!!ひばりくん!」に似ている男の娘っぽい”大空つぐみ”がパロディで出ていたり、40オーバー世代に面白い演出もあったりします。
ちおちゃんに出てくる多くのキャラが個性的ですが、この作品にも個性派がたくさん登場します。尻からビームを出す華子の家の執事”前田”や”ダニエル”というエロ赤ちゃん、超常現象研究会の”岡るう”などキャラの持つ力も強力な作品です。全12話でかなり笑いのポイントがございますが、私のオススメは第1話と3人のすごろく回です。かなり笑えますのでご注意下さいませ。

オープニングテーマ「スリピス/本田華子(木野日菜)・オリヴィア(長江里加)・野村香純(小原好美)」

3作品の中で注目の声優さんは、3人です。ちおちゃんの通学路の野々村真奈菜役の”小見川千明”さん、あそびあそばせの本田華子役の”木野日菜”さん、オカ研の岡るう役の”金澤まい”さんです。個性が強い役ですが振り幅一杯で役どころを好演しています。声質も特徴があって印象に残る3人だと思います。

今回の3作品は、皆様の退屈な日常に一石を投じる特効薬ですので、退屈加減に応じてご覧いただけましたら幸いです。なお、中には副作用が強いお薬も混ざっておりますので、処方はくれぐれも自己責任でお願いいたします(笑)

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楽しい!は正義。たくさんの楽しいから、子どもたちは本当の正しさを見つけ出す。「苺ましまろ」VS「三ツ星カラーズ」②

「今日も平和は守られた。我々の完全勝利だ!またピンチのときは呼ぶといい!」

東京・上野の街に、その街を守る3人の小学生がいた。彼女たちは「カラーズ」なる正義の組織を結成し、日々、街の平和を守るために活躍?している。メンバーは彼女たち3人とモノクロ大佐というパンダみたいなしろくろの猫で構成されている。彼女たちは街にある広い公園の中の、林が生い茂ったところに秘密のアジトを構えている。

3人はいつもここに集結し、事件の報告を待ち、その内容が重大(ピンチ)な事件だとわかるとすぐに3人で街に出動して、事件の解決に当たるのだ。事件を探る中で困ったときは必ず、3人で作戦会議を開き、作戦を決行する。時には3人それぞれがバラバラに隠密行動して情報を得たり、3人で一致団結して行動したりと臨機応変に事に当たる。それがカラーズ。そして、今日も難事件は3人の力で見事?に解決されていくのである。 ~タカペディアより参照~ ※管理人だけの脳内ペディアですので、あしカラーズ。

今回紹介する作品は「三ツ星カラーズ」です。ジャンルは”コメディ”。忙しい大人に代わって街の平和を守ろうと、日々活動する小学生3人組の日常を取り上げた、とても可愛らしく楽しいお話です。事件は彼女たちによって日々、作り出されるのです。そして無事?解決されるのです。

漫画家の”カツヲ”さんによる同タイトル漫画が原作です。2014年9月号から「苺ましまろ」と同じ「月刊コミック電撃大王」に連載、現在は既刊5巻まで発刊されています。それがアニメ化され、2018年1月~3月に”BS11”他で全12話が全国放送されました。同時にインターネットでは”AbemaTV”・”ニコニコ生放送”でも配信されております。アニメーション制作は”SILVER LINK.”。

脚本の全12話すべてとシリーズ構成を”ヤスカワショウゴ”さんが担当しています。ヤスカワさんは「緋弾のアリア」・「変態王子と笑わない猫。」・「ジョジョの奇妙な冒険」の脚本も手がけていたようです。そして、私が好きなアニメ「セキレイ」・「セキレイ~Pure Engagement~」のこれまた好きなOP・EDのそれぞれを作詞した方であることがわかり、新たな発見です。

三ツ星カラーズ2

この作品の主人公は3人の小学生。まずはリーダーの”赤松結衣(ゆい)”。他の二人とは違う小学校に通っているがカラーズを通して二人と大の仲良し。二人からは”リーダーまたは”ゆい”と呼ばれている。メインカラーはレッド。3人の中で一番まともな性格(ある程度常識のある行動をとる)だが、天然で、そして結構泣き虫。本人はリーダーにふさわしいように振る舞っているつもりだが、実際に伴っているかどうかは疑問が残る。運動神経がなく、足がすごく遅いためにたびたび、二人から置いてきぼりを食らうことも。素直な分、良い事と思って他の二人の悪乗りに便乗することが多々ある。

カラーズのメンバーのふたり目は”さっちゃん”。メインカラーはイエロー。明るくとても元気で、カラーズが行動をするための発案をすることが多く、また行動するのが一番早いというか、深く考えないで突っ走ることが多い女の子。マイペースな彼女は行動のさなかで他の楽しいことに遭遇すると、目の前の目的を忘れてそちらになびいてしまうことも。事あるごとに自分のことを超かわいいとアピールしたり、女の子なのに”うんこ”ネタが大好きで、会話の端々によくその話題を突っ込んで来る。ピンチのときは必殺技「エクストラ・バージンオイル!」なる強そうなだけの技(言葉)を出す。

もうひとりのメンバーは”琴葉(ことは)”。メインカラーはブルー。いつもワンピース姿で日替わりでいろんな帽子をかぶっているおしゃれさん。そして、携帯ゲームを常に持ち歩き、暇な時は必ずひとりでゲームをしている。頭の回転が良く、カラーズの頭脳。難事件?を解決する糸口をつかむのが非常にうまい。彼女は事件の鍵がわかったときに「ゲームクリヤー!」という決め台詞を持っている。他の二人と比べてやや大人びた言動をする女の子で、たまに辛辣な言葉を容赦なく周囲に浴びせたりする。見た目の可愛いさとは違ってさっちゃんの頭を踏みつけたりする、ちょっと行き過ぎたおしとやかでない行動も併せ持っている。

この作品が「苺ましまろ」と違うところは、個人的な行動のお互いの対等する場面の面白さ・空気感が基本である”苺ましまろ”に対して、こちらは個性がありながらも、3人の合議制による三位一体の行動の面白さを取り上げている作品であります。正義の味方という主軸を通して子どもたちのその行動があっているのか、あるいはずれているのかを楽しんで観ていただくというのが「三ツ星カラーズ」です。正義のため、街を守るためという大義のもと、3人が巻き起こすコミカルな出来事は、どんな子どもたちも通過点するような行動がデフォルメして登場いたします。大人には多少なりとも迷惑な行動も含めて。

小学5・6年生のある程度、物事の分別がわかる年齢の”苺ましまろ”に対して、はっきりと作品からは何年生かはわからないですが、おそらくは小学校2・3・4年生あたりの「三ツ星カラーズ」のお三人は、まだ人生経験も乏しく、これからそれを行動の中から学習していく年齢層かと思われます。大人の目から観ての常識と、本作の正義の観点から観ての子どもたちの行動のギャップを楽しみつつ、大人の子どもたちへの助言・見守りの必要性も考えていただけましたら幸いです。何事も体験していない子どもたちは体験から物事の分別を学習していくものです。あらためて子どもとはそういう存在であることを認識し、間違っていれば地域の大人としても暖かく見守り・一緒に育てることが大人の役割かと、そんなことも少し、問題提起が入っている作品だと私は感じました。

三ツ星カラーズ1

作品には商店街の雑貨屋の店主である”おやじ”と、その街の交番勤務の警察官”斉藤”という大人が登場します。子どもたちを暖かく見守りながら一緒に遊んでくれる”おやじ”と、大人として諭す立場である警察官の”斉藤”が子どもたちのちょっかいに大人気なく反応してしまうという、二人の絡みがこの物語にはかかせません。地域社会のあり方が色濃く出ているという点も、苺ましまろとは違った切り口です。

作品に出てくる3人は苺ましまろと同等、それ以上に毎回違う服装で登場します。やや時代の違いなのか、小学低・中学年の子どもたちでも、苺ましまろよりはやや大人っぽいデザインや洒落たデザインの洋服を着ているような気がします。日常もののアニメですと、一昔前なら衣装は毎回同じものでも全然違和感がなかったものですが、最近のアニメはファッション性も重要視しているのか非常に手が込んでいます。見る側からするととても楽しめますが、キャラクターデザインとして作る側の作業は確実に上がっているんじゃないかと余計なことを考えてしまいます。少子化の時代ですので、リアルでも今の子どもたちは衣装持ちなのでしょうね。

今回の声優さんは、「苺ましまろ」に引けをとらないくらいに小学生らしい子ども声を当てていて、改めて声優さんってすごいなあって思いました。3人3様の個性も出ていてキャラが立っています。赤松結衣役は”高田憂希”さん、さっちゃん役は”高野麻里佳”さん。琴葉役は”日岡なつみ”さんです。高田憂希さんは「NEW GAME!」という作品のヒロイン”涼風青葉”役を演じた方です。高野麻里佳さんは「それが声優!」のヒロイン”小花鈴”役を演じております。日岡なつみさんは「くまみこ」のヒロイン”雨宿まち”役を演じた方です。

最近の声優さんは歌もお上手な方がたくさん出てきていますよね。こちらの作品も3人の声優さんがOP・EDのどちらも歌っております。さらにキャラクター集として各キャラごとにCDがリリースされていますので、推しのある方にはキャラ声でのキャラソンは魅力的な商品かと思います。

ではみなさん、OP・EDも聴いて和んでくださいね。本日もおつカラーズ☆でまた明日!

オープニングテーマ
「カラーズぱわーにおまかせろ!/カラーズ☆スラッシュ(結衣・さっちゃん・琴葉)」
エンディングテーマ
「ミラクルカラーズ☆本日も異常ナシ!/カラーズ☆スラッシュ(結衣・さっちゃん・琴葉)」
キャラクターソングシリーズ「02 さっちゃん/さっちゃん(高野麻里佳)」

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楽しい!は正義。たくさんの楽しいから、子どもたちは本当の正しさを見つけ出す。「苺ましまろ」VS「三ツ星カラーズ」①

大人になると、ある意味、真面目で打算的で明日のことをよく考えるようになります。良く言えば無駄のない効率的な生き方、悪く言えば型にはまったつまらない生き方が生活の基本、とでもいえば良いのでしょうか。大人はどうしても背負うものがいろいろ出てくるのでリスキーなことはあまりしなくなりますよね。子供は自由で、無計画で、明日のペース配分なんておかまえなしで、周りを気にせずにひたすら自分の好きなことに全力投球。自らの行動基準は楽しいかそうでないか。いたって簡潔明瞭であります。当たり前ですが、それが本来の子供らしさっていうものでしょうか。

エレベーターに乗ったときに先客の子供から、「何階ですか?」って聞かれ、「〇〇階です」と答えると、その階のボタンを押してくれて、エレベーターが止まって開くと、「どうぞ!」と先を譲ってくれる、といった非常に良くできた子供に極稀ですが遭遇することがあります。あまりにも周りに配慮が出来て立派すぎて、ドラえもんに出てくる出来杉くんかと思ってしまいます。そのような出来た子供を観ると、むしろ、そんなに急いで大人にならなくっても、やがて大人にならなければならないときが必ずやってくるのに、って思ってしまいます。ちょっと羽目を外しているくらいがやっぱり子供らしいような気がします。

早いうちから妙に周りに気を使う子供は逆に将来が心配になります。物分りの良いおとなしい子がとんでもないことを引き起こしたりする怖い時代です。子供のうちに子供を最大限、満喫しておかないと、大人になってから後悔するんじゃないかなって。大人になれば子供には絶対に戻れないですからね。子供っていいですね、おじさんももう一度、子供に戻りたいなあ。毎日を楽しく生きる、楽しいを見つけるそんな小学生時代。そんな時代もああったねと♪by薬師丸 ひろ子なわけですよ。今の子供達には子供時代に名一杯遊んで毎日楽しく元気な日々を送ってほしものですね。時代が許されるのなら。

今回紹介する作品は、自由でのびのびと楽しい毎日を過ごす子供達にスポットを当てた日常系のコメディ作品2本立てです。

まずひとつめは、2005年7月~10月に関東広域圏のTBS系列でTV放送された「苺ましまろ」です。ジャンルは日常系となっております。

苺ましまろ1

この作品はコメディでありながら、ちょっと行き過ぎた行動・やや非常識さが笑いを誘う部分が多分に盛り込まれたアニメです。基本、深夜帯アニメですので、子供と一緒に観て楽しむ作品ではなく、風刺的に大人が観て楽しみつつ、笑いの中から大人の目で物語の中の物事の良し悪しをジャッジしてもらえたら、と思える良いことも悪いことも描かれている作品であります。そしてもう一つのこれから紹介する作品にも共通で言えることなのですが、それぞれの作品を観て、大人がどのように周囲の子供達を地域で見守ってあげられるか、不完全な子供の健やかな成長には親はもちろんですが、地域の大人の支えも必要不可欠であること、多くの大人の存在意義を考えながら観ていただけたら幸いです。

小学6年生の”伊藤千佳(ちかちゃん)”と”松岡美羽(みっちゃん)”はお隣同士の幼馴染。2階の屋根づたいに日々行き来する間柄である。千佳はとても真面目で勉強熱心だが服装もごく普通なため、姉”伸恵(のぶえ)”からは「特徴がないのが特徴」と言われている。

美羽は一人っ子の寂しさか、しょっちゅう屋根から千佳の部屋にやってくる、あるいはすでに潜んでいる。もっぱら楽しいことを探していて、事あるごとにボケをかまし周囲をイラッとさせる。それに対するツッコミは千佳の役目。美羽のボケは度を越しており、学校の授業中でも常お構いなしにボケるため、よく廊下に立たされている。

近所には仲の良い小学5年生の”桜木茉莉(まつり・まつりちゃん)”がいる。彼女はとても素直でおっとりしている。言われたことをすぐに真に受けてしまうところがあり、美羽によく騙される。反面、物事を吸収する力がずば抜けているので、友達と一緒に英語を学ぶうちに友達以上に英語が堪能になってしまたりする。

ある日、茉莉のクラスに外国人の”アナ・コッポラ(アナちゃん)”が転校生としてやってくる。彼女は日本語がペラペラでむしろ英語は苦手。自分が外国人なのに外国人らしからぬことにコンプレックスを持っている。転校をきっかけに、外国人っぽく振る舞おうと日本語を封印するが、そのために周りとコミュニケーションが取れなくなってしまうのだ。となりの席になった茉莉には日本語が話せることが知れてしまうが、二人で学校に通ったり英語を練習する間柄になった。千佳と美羽とも仲良くなるが、美羽からはコンプレックスのあるコッポラというファーストネームをいじられて苦労している。

千佳の姉の伸恵は20歳(原作では16歳だがアニメ版は20歳の設定)。いつも酒とタバコをこよなく愛している。お金がなくタバコを切らしたときは妹の千佳にタバコ代を借金している。少々だらしがない姉だが、妹とその友達の彼女たちとは一緒に遊んでくれたり世話をしたりする、面倒見の良い姉である。少女愛が強く、茉莉やアナをよく可愛がるため、美雨にはしょっちゅうヤキモチを焼かれてしまう。さり気なく、4人の小学生に手を差し伸べる姉御肌そのものの優しい姉である。4人にとっては頼りがいがあり、その存在はとても大きい。

そんな5人が織りなす、日常の中で起こるちょっとずれた出来事が笑いを誘う、コメディ作品です。

苺ましまろ4

この作品は漫画家”ばらスィー”さんによる同名タイトルの漫画が原作であります。「月刊コミック電撃大王」にて不定期連載、現在、既刊8巻。アニメ化され、2005年7月~10月に全12話が関東広域圏TBS系列でTV放送されたようです。その後、OVA1全3話・OVA2全2話も登場。制作会社は”童夢”。

制作スタッフはこの作品の後に制作された「STEINS;GATE」に関わる方が大変多く携わっているのが特徴的です。監督・キャラクターデザイン・脚本がこのスタッフ陣なのです。方向性がまるで違う2つの作品の妙がとても興味深く感じられます。そのスタッフとは、監督は”佐藤卓哉”さん、キャラクターデザインは”坂井久太”さん(ペンネームであり女性です)、脚本はこのSTEINS;GATEのシリーズ構成の他に「ラブライブ!」「ラブライブ!サンシャイン!!」のシリーズ構成も手がけた”花田十輝”さんです。「SHIROBAKO」の脚本を手がけた”横手美智子”さんも分担して脚本を担当しております。

作品は、基本、自分のことが大好きでとっても可愛いと自負しているみっちゃんが、常にボケをかまし続け、他の4人に対して絡むお話しで構成されています。みっちゃんがキーマンなのです。誰彼構わずボケ続けます。そして張り倒されます。彼女は授業中であってもボケます。そして立たされます。必ずお話の中心にはみっちゃんがいます。また、みんなを包み込むように伸姉が4人を見守っています。多少、ブラックな笑いと心温まる両方のお話が詰まった とっても楽しい作品です。そして、お話の中の間のとり方が絶妙で笑いをうまく誘ってきます。ふわっとしたそうした独特の雰囲気・空気感が「苺ましまろ」の特徴でもあり、魅力ですね。

4人の子供達はその当時のポップで可愛いファッションに身を包んで登場します。「かわいいは正義!」がキャッチコピーなので、子供達はファッショナブルでイラストに手がかかっています。方や、お話自体は普遍性のある内容で、今観ても古さを全く感じなく楽しめる良作だと思います。見どころはたくさんありますが、サンタを信じている茉莉ちゃんの夢を叶えようとする4人のハートフルなお話はぜひ観ていただきたい回です。

あと、5人とは別キャラですが、学校で理不尽に廊下に立たされる笹塚くんの存在が、世の中に必ずいるそうした理不尽なことで割を食う人の代表に思えてなりません。彼はそのような荒波に揉まれながら、将来はどうまっすぐに生きてゆくのかが気になります。

声優さんはやはり、みっちゃん役の”折笠富美子”さんが印象的です。ハチャメチャな彼女のキャラがとても個性的に作り上げられています。そして、エンディングの曲を歌っているのですが、みっちゃんの声とは打って変わって優しさが全面的に溢れている歌い方で上手さが際立っております。もうひとり、アナ・コッポラ役の”能登麻美子”さんですが、彼女は透き通ったような声とでも言えばよいのか、特徴のあるボイスです。ちょっと清楚さを感じる喋り方でアナのキャラをとても魅力的に演じております。この方は現在でも多くの作品に登場しているベテラン声優さんですが、まだ30代のお若い方です。早見沙織さんと声質が似ており、間違いやすい方であります。同じ作品に二人が出ていると個人的には聞き分けが面白いと思ってしまうおふたりです。なのでどちらも好きですね。

まずはこちらの作品で、楽しい中にも子供らしさとはなにか、子どもが真っ直ぐに育っていくために必要な大人の役割とはなにかを再発見してみてくださいね。次回はみっちゃんとぜひ、戦わせたいVS自称、超絶可愛いい”さっちゃん”が登場する作品を紹介いたします。

では、次号も観てましまろ♡

オープニングテーマ「いちごコンプリート/千佳・美羽・茉莉・アナ」
エンディングテーマ「クラス・メイト/折笠富美子」

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波風立てて面白くする。面白きことは良きことなり!「有頂天家族」

リアルな世界で社畜の私は、おかげ様でここ2か月間、大変お仕事にも恵まれすぎて、同僚に仕事も振れず、代休もとれずにただ会社と家を往復する日々が続きました。毎日15~17時間も働けば、さすがにお腹が一杯になります。もうこれ以上は食えないよ!っていう夢を見そうなくらい、夏から今まではくそ忙しい日々でした。プロ野球選手のイメージテーマ曲みたいなものが今の私にあるとしたら、おそらくは「進撃の巨人2」のオープニングテーマ”心臓を捧げよ!”がピッタリじゃないかと自分では思っております。会社というよりはお客様に心臓を捧げておりましたね。「おまえらみんな駆逐してやる!」っていうエレン(進撃の巨人の主人公)の言葉を妄想し、毎日全力で仕事を駆逐しておりました。

そんな日々の中で、とある科学の~ではなく、 とあるお得意先の、いつも忙しそうな年輩の男性と世間話をしていると、彼は何気に、「何のために働いているのかって、最近思うよね。」と言うことを口にしておりました。それを聞いて私も一瞬、はっと自身を振り返りました。「私は何のために?、いやいや、余計なことを考えちゃ駄目だ、考えちゃ駄目だ(ちょっとエヴァのシンジ君入っています)このキーワードは地雷のようなもの。」まともに考えて踏んでしまうと爆死してしまいます。

余計なことは考えずに、”働く”のはごはんを食べるため、人様のお役に立つためには、あたり前田のクラッカー、と割り切って、程々に真面目に腹八分に働く。それとは別に、”いかに人生を楽しく面白く生きるか”ってことを並行的に考えないといけないのかもしれません。働くことと人生を楽しむことは別のベクトルで成り立っていると。一緒のベクトルで考えると非常に悩みます。悩んでる時間はもったいないので、そんな時間があるのであればとにかく楽しいことをやるのに時間を費やす。明日突然、あの世に召喚されるかもしれません。私はそんなことを考えると、悔いを残さないくらいに日々楽しく面白いアニメを時間のある限り、観続けようと思ってしまいます。実はアニメに一番、心臓を捧げていた、と言うことでお後がよろしいようで m(_ _)m

本日紹介する作品は、”波風立てて面白くする、面白きことは良きことなり!”という、狸界の偉大な父の教えを実践しようと日々、荒波を立てて面白おかしく過ごそうと、まわりを巻き込んで騒動を起こしている三男狸の矢三郎が主人公の物語「有頂天家族」です。ジャンルはコメディ・ファンタジー・群像劇となっていますが、登場する狸界・天狗界を通して人間界を客観的に観ることが出来る”人情コメディ・群像劇”だと思います。

この作品は小説家・”森見登美彦”さんによる同タイトル小説が原作となっております。動物小説としてのたぬきシリーズ3部作の第1部「有頂天家族」が2007年9月に幻冬舎より刊行、第2部「有頂天家族 二代目の帰朝」が2015年2月に刊行。それぞれがアニメ化され、2013年7月~9月に「有頂天家族」全13話がBS11・TOKYO MX他で放送、2017年4月~6月に「有頂天家族2」全12話がTOKYO MX・AbemaTV他で放送されました。アニメーション制作は、人情味溢れる作品なら天下一品のP.A.WORKSです。ちなみに、森見登美彦さんは、「夜は短し歩けよ乙女」の小説で2007年に山本周五郎賞と本屋大賞2位を受賞してブレイクした方です。そして、この「有頂天家族」のアニメとしては、2013年12月に第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞しております。

有頂天家族1

人間は街に暮らし、狸は地を履い、天狗は天空を飛行する。この世は人間と狸と天狗の三つ巴。狸は空を飛ぶ天狗に遠く憧れ、人間を真似ることも大好きである。京都が舞台のこの物語は、狸たちが主役でありながらも人間界と天狗界との間でうまく折り合いながら、狸らしく生きようとする姿をコミカルに描いた狸情噺である。

主人公、下鴨家4兄弟の三男・矢三郎は自分に流れる阿呆の血の力しむるところ、狸界のまとめ役である偽右衛門であった偉大な亡き父・総一郎の日頃の教え”面白きことは良きことなり!”を実践しようと日々、あえて世間に波風を立てて、面白くする生きかたを良しとしている。狸としての化け力は父親譲りで、4兄弟の中でも一番優れており、人間界においていろんなものに化けては毎日を楽しんでいる。一介の普通の狸では良しとしない矢三郎であった。

天狗でありながら空を飛ぶことができなくなった矢三郎の師匠である赤玉先生(如意ヶ嶽薬師坊という名の天狗であるが、赤玉ポートワインを好んで飲んでいるため周りからそう言われている)は、かつて自分が司っていた如意ヶ嶽を追われ、現在は人間界において一人、アパートで隠居生活を送っていた。先生に少しでも喜んでもらおうと矢三郎は女子高生に化けて先生宅を訪れる。しかし、先生は自分のことをからかう弟子の悪態と思って矢三郎に対して怒りを露わにする。先生は、自分の愛弟子である弁天(鈴木聡美という、人間にして赤玉先生の教えによって天空を自在に飛べるようになった女性)にご執心なのだが、最近は全く先生宅に顔を見せなくなったたために、矢三郎に自分が書いた彼女への恋文を届けるよう命じるのであった。

先生の頼みとあらば矢三郎はそれを仰せつからないわけにはいかない。赤玉先生の情報によるところ、本日の金曜日は、弁天が人間界の”金曜倶楽部”なる会合に出席しているはずだということだ。矢三郎はその会合場所へと向かい、外の茂みから弁天を確認するやいなや、矢文をもって文を届けたのであった。矢文は見事、弁天が持っていた扇子を射抜いて壁に突き刺さったのである。

大役(?)を果たした矢三郎は、同じ狸が経営する馴染みの酒場に入り、偽電気ブラン(酒の名前)なる酒を飲んで自分をねぎらっていた。するとそこへ、金曜倶楽部を抜け出してきた弁天がやって来て、扇子を台無しにされたことに対して矢三郎に文句を言い始めたのであった。扇子を壊してしまったことについては素直に謝る矢三郎であったが、赤玉先生のところに顔を出してほしいと弁天にお願いするのであった。人に指図されるのを嫌う弁天はそんな出過ぎたことを言う矢三郎に対して、「あなたがケンカを売ってくれたら喜んで買うのに。そうしたら捕まえて忘年会の鍋にしてやるわ。」と脅し文句を口にするのであった。気まぐれな弁天はやがてその場からいなくなった。

弁天は人間でありながら天狗にもなり、唯一、狸が化けることを知っている人間であり、おまけに狸を食べてしまうという、狸にとってはまさしく天敵であるため、狸界では恐れられている存在なのだ。それを知っていても阿呆の血が矢三郎を動かすのであった。なぜなら、矢三郎にとっても弁天は初恋の相手という因果な存在であったから。(第1話)

有頂天家族1-2

この作品は、狸の世界に起こる日常を面白おかしくコメディタッチでお送りする内容ですが、その中には人間的な親子・兄弟の絆、地域の絆や文化・しきたりについての畏敬など、あらためて、昔の良き日本が崩れてしまった現代社会に生きる方々が再認識しなければならないような事が、狸の衣を借りて語られているような興味深い物語です。狸たちは自分たちの分をわきまえ、天空を自在に凌駕する天狗を崇め、人間を恐れ、いつかは自分たちが人間に食べられる日が来ようとも、それは自然の成り行きと潔く天命をまっとうする考えを持ちわせている、という狸像になっております。シンプルに毎日を謳歌する狸たち。複雑に生き過ぎている人間たちが人生をもっとのびのびと楽しむべきだと言わんばかりの狸界からのメッセージがそこにあるような気がします。

作品には多くの狸たちが登場します。人間に化ける前の狸姿もそれぞれ違っていてとっても愛らしいのですが、人間に化けた姿もとても個性的です。生真面目だけどココ一番に弱い長男・矢一郎、怠け者だが全体を見渡すことに長けていてみんなの相談相手になる次男・矢次郎、楽しければ後先考えないでまずは行動あるのみの自由奔放な三男・矢三郎、化け力はまだまだ及ばないが勤勉で努力家の四男・矢四郎。下鴨家と親戚なのだが犬猿の仲の夷川家・頭領の早雲、下鴨兄弟といざこざを起こす夷川家の双子の兄弟・金閣と銀閣、そして夷川家の長女にして矢三郎の元許嫁の海星。どのキャラもベテラン声優陣たちによってより色濃いキャラに染め上げられていて、作品の総体的な力を魅せつけております。

そして狸以外のキャラもまた、魅力たっぷりです。赤玉先生の、気持ちだけは天狗で有り続ける腑抜けぶりが時に笑いと切なさを感じさせてくれます。自由奔放といえば弁天もそうなのですが、彼女については、まだ天狗にもなっていない頃のあどけない姿と性格から、やがて天狗になって様々な力を備えた事によってみんなを見下ろす立場になった彼女の成長と同時にその変わりぶりが、好きな女性には永遠であって欲しいが現実はそうはいかないよと言わんばかりの展開がまた、非常に感慨深いものがあります。 

物語が徐々に進行していくと、やがて父があの世にいった理由も明らかになっていきます。少しずつシリアスな場面も出てきて、最後はあっと言わせられるどんでん返しが用意されております。コメディ・群像劇・ちょっとした推理物語も入ったエンタティメント作品と言える作品かと思います。

声優さんにつきましては、とにかくみなさんとても素晴らしく、ケチのつけようが1片たりとも見つかりません。矢三郎役の”櫻井孝宏”さん、櫻井さん=矢三郎というくらい100%なキャラぶりだと思います。矢一郎役の”諏訪部順一”さんはFateの渋いアーチャー役とは全然違いますね、さすがです。矢次郎役の”吉野裕行”さんも落ち着いた役どころをひょうひょうとこなしていて素敵です。矢四郎役の”中原麻衣”さんは本当に可愛い4男を演じてくれています。そして、ごくごく個人的には矢三郎の元許嫁の海星役の”佐倉綾音”さんは元許嫁を影からいじらしく支える女の子を演じていて、とてもキュンとしました。

こんなところが「有頂天家族」についての見処なのですが、続編の「有頂天家族2」も1期を観たらぜひ、こちらも観てくださいね。かつての親子対決に敗れて姿をくらました息子が英国紳士として登場します。また亡き父後の狸界のまとめ役”偽右衛門”に矢一郎が立候補して行われる総選挙など、あらたなエピソードで狸界には荒波が立ちまくりです。2期の最終話も素敵な結末が待っております。どうぞご期待ください!

1期オープニングテーマ「有頂天人生/milktub」
1期エンディングテーマ「ケセラセラ/fh'ana」

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自分のことを理解してくれる相手だと知ったときに、初めて人は心を開きはじめる。「亜人ちゃんは語りたい」

世の中にはいろんな人がいます。背格好はみんな違うし、性格も人それぞれ。見た目やちょっと接した感じの第一印象で人はまずどんな人か勝手に判断されるもの。それが世の中の絶対数と違って映った場合、印象は決して良くはなく、むしろ煙たがられてしまう傾向にあります。でも、果たしてそれがその相手の真の姿であるのか(内面も含めて)どうかはわからないはずなのに、その第一印象(固定観念)の情報だけに過敏に反応し、自分にとって相手が合うか合わないかを判断して今後の付き合い方を決めてしまう、という方が大半ではないでしょうか。

”人は見た目が9割”という言葉も聞いたことがあります。本当にその第一印象とやらの判断は絶対的な正しさを持っているのか、それによって素敵な出会いの機会損失はないのだろうか、ということをあらためて考えて見る必要があると私はこの頃そう思います。そう判断を下す前に、自分から相手を知ろうとアプローチはしたのかどうか?あるいは自分が感じた第一印象は本当に正しかったのかを最低限確かめる行動を起こしたのかどうか?そんな気持ちにさせてくれたアニメが最近ありました。

今日紹介したいのは「亜人ちゃんは語りたい」という作品です。亜人は”デミ”と読みます。

漫画家”ペトス”さんによる週刊「ヤングマガジン」の増刊号「ヤングマガジンサード」の創刊号9月(?)から連載中(既刊5巻)の同タイトル漫画が原作で、それがアニメ化され、2017年1月~3月にBS11他で全12話が放送となりました。ジャンルは”学園コメディ”ですので、楽しさいっぱいがメインのアニメです。

この作品の注目すべきは監督よりも、むしろ脚本・シリーズ構成を手掛けた方です。アニメ「セキレイ」「四月は君の嘘」の脚本とシリーズ構成を担当されたフリーライターの”吉岡たかを”さんが担当されています。どちらも心の琴線をくすぐるような感動を与えてくれる良い作品です。うまくは言えませんが、楽しい作品の中にも「人ってこういうものじゃない?」というようなメッセージ性がきちんと入っているように感じましたが、それは原作の良さをさらに良い方向に運ぶ、こういった方の役割が非常に大きいような気がしました。アニメ制作会社は年に1~2本はコンスタントに良作を輩出している”A-1Pictures”です。

どんなお話かというと、特別な体質を持った人間(神話やおとぎ話のモチーフにもなったバンパイアや雪女などかつては恐れられ、迫害を受けていた人種が現代では総称”亜人”と呼ばれるようになり、一人の個性ある人間として認められ、一般社会で普通に日常生活をが行えるよう国家も様々な生活保障を認めるようになったとされる時代のお話です(半分ファンタジー的な人物が登場するお話ですのでその前提で話を続けます)。

亜人ちゃんは語りたい1

亜人とされる人間には、牙を持ち、吸血性のある人間の”バンパイア”と、アイルランドの妖精にルーツを持つ頭と胴体が分離した、世界に3人しかいないとされる”デュラハン”、ストレスを感じると汗や涙が氷になり、冷気が体から出る特異体質の”雪女”、普通に接するだけで相手の男性をみだらな気持ちにさせてしまうフェロモン漂う”サキュバス”が該当する。それらの人間は、遺伝よりも何かしらの突然変異が生じてそのような特別な体質になるケースがほとんどらしい。

柴崎高校の生物教師”高橋鉄男”は、大学時代は亜人に興味があり、卒論のテーマを亜人の研究にしていたほどだが、実際に今まで亜人に会う機会はなかったのだ。教師になって5年目の春、新学期に新人女性教師の”佐藤早紀絵”が着任したが、上下トレーニングウエアというなんとも色気のない格好であった。そして彼女は先生方全員に自己紹介をするが、最後に自らを”サキュバス”だと名乗ったのである。鉄男にとってはこれが人生初の”亜人”との対面であった。後に、彼女と対面した鉄男は彼女に挨拶しながらフレンドリーに握手を求めたが、「興味本意で私に近づかないでください。」と、必要以上に警戒されてしまう。サキュバスである彼女は地味な服装で出来るだけ男性と接触しないよう、自分を律していたのであった。確かに興味があって近づいたことが否めない鉄男は、自分の行動を反省するのであった。

そんなことがあって間もなく、鉄男は廊下で一人の女子生徒に助けを求められた。彼女の名は”小鳥遊(たかなし)ひかり”新入学の1年生。事情を聞くと、同じクラスの女子が具合が悪そうだから彼女のことを保健室に運ぶのを手伝ってほしい、とのことだった。生物教師の鉄男は、今までの教師としての経験から生徒の顔色を見て具合を判断しようとするのだが、なんと顔を見ようにも首から上が無いのである。彼女は亜人の”デュラハン”であった。小鳥遊ひかりが言うには、先に彼女の頭だけ保健室に運んでおいた、とのこと。早くも今日、二人目の亜人との対面であった。

そんな状況の中、「大丈夫だから、冷やせば大丈夫だから、雪女だから。」と言いながら、目がまわっている状態で担架で運ばれる女子が一人。そう、彼女は亜人の”雪女”であった。暑さに弱くて倒れたらしく、クラスメイトに運ばれていた。3人目の亜人との遭遇。目の前の亜人のデュラハンと雪女になんら驚かないひかりに対して、鉄男は「落ち着いてるけど、珍しくないのか?亜人。」と聞くと、彼女はこう答えた。「別に驚かないけど。私も亜人だし、バンパイアだし。」と。1日で立て続けに4人もの亜人と会ってしまった鉄男にとってはまさに驚きの連続。

人なつっこいひかりに対して鉄男は、バンパイアについて、良ければいろいろと教えて欲しいと頼んでみた。ひかりは快く受け入れ、しばしば、生物室の鉄男のところに顔を出すようになり、バンパイアについて語りはじめるのであった。ひかりに見聞きした限りでは、現代のバンパイアは昔からの伝承と実際の事実にそれなりの差異があることがわかった。例えば、にんにくは大好きで十字架には弱いこともなく、吸血行為は食生活で緩和される。国から月1で血のパックも支給されているらしく、それなりに社会に順応している事がわかる。ただし、バンパイアも暑さには弱く、日差しも苦手なのだが、学校側のこまめなケアまでにはまだ至っていないらしい。そして亜人ついての良き理解者であることがデュラハンの”町京子”にも、雪女の”日下部雪”にも伝わり、二人も日頃の悩みを鉄男に相談するようになっていく。

亜人ちゃんは語りたい2

亜人の生活は国からも保障されているといえども、社会的に弱い部分も多く、彼女たちのいろいろな悩みを徐々に知る鉄男であった。どうしても彼女たちは特別な性質のため、学校での生活は多少浮いてしまう部分もある。最初は興味本位からだった鉄男の亜人の研究。しかし、学校という自分が勤める身近なところで亜人(デミ)たちに偶然にも接する機会が増え、鉄男は彼女たちを守るために自らが率先して彼女たちの理解と生活しやすい環境づくりに努めていくのであった。

彼の彼女たちへの働きかけで何かが少しづつ変わっていこうとしている。果たしてそれは一体なんなのか?
ハートフルな物語の中で亜人ちゃんたちが鉄男先生に色々と語り始めていきますが、同時にみなさんにも、この物語は何かを語り始めていきます。

この作品を観ると、相手に興味を持って接することの必要性を感じることが出来ます。せっかくの目の前の出会いも、表面だけの接し方では相手の本質はいつまでも知り得ないし、相手の事を理解しようと努めてその意思表示が初めて相手に伝わった時に、相手もこちらに心を開いて本当の自分を見せてくれるものだということを再認識させられる作品です。

また、この作品の中では同級生が陰口を叩く場面が登場します。良くない行為ですよね。それが相手に届いたらどんなに相手は辛いことか。八方美人になることとは別で、少なからず相手に嫌な思いをさせないためにもそれらの行為は慎み、人の良いところを見るとか、思いやりを持って相手の立場も考えて接しないといけないものですよね。大人になるってそう言うことですよね、きっと。昔の本のタイトルですが、確か、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というのがあったと思いますが、私はアニメで再学習をしております。良いアニメ作品は大人にとっても倫理的復習ドリルの役割になると私は断言いたします。

今回の注目の声優さんは、メインヒロインのバンパイア/小鳥遊ひかりちゃん役の”本渡楓(ほんど かえで)”さんです。お調子者でおしゃべり好きなヒロインをバッチリ演じております期待の21歳の若手声優さんです。19歳から活動しているそうですが、最近では昨年の秋アニメ「ガーリッシュナンバー」(声優さんの業界的アニメ)の天然であざといサブヒロインの一人”久我山八重”役や、今年の冬アニメ「うらら迷路帖」(占い師見習い女子アニメ)のお嬢様的真面目なサブヒロイン”巽紺(たつみ こん)”役を演じるなどとても多くの作品に登場し始めております演技派な声優さんですので、これからもたくさんの作品に登場必至な方です。

あともう一人、一見真面目風で実は下ネタ・ギャグ漫画好きな雪女/日下部雪役の”夏川椎菜”さんです。彼女はちょっと前に書いた「天体のメソッド」の真っ直ぐで芯の強いメインヒロイン”古宮乃々香(こみや ののか)”役や昨年春アニメの戦艦&萌え系「ハイスクール・フリート」のちょっとふんわりとした性格のメインヒロイン”岬明乃”役を演じています。彼女は声に優しさがあるようで、それがかえってヒロインの一生懸命な役どころにハマっているような気がします。徐々に役幅を広げている印象でこれから頑張って欲しい声優さんです。

この作品は楽しいし、ひかりちゃんがとても可愛いし、とってもハートフルな作品だよって「オジちゃんは語りたい」

オープニングテーマ「オリジナル/TrySail 」
エンディングテーマ「フェアリーテイル/3月のパンタシア」
             ※今この何気ない瞬間がやがて大切な思い出に変わります

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takapon46

Author:takapon46
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
楽しさ・感動がいっぱい詰まった深夜帯TVアニメ作品。
まだ知らない40代以上の方々にも知って頂けるよう、おすすめアニメ情報館TAKAYAの店主兼アニメ効能調剤薬局調剤師(仮)兼貴方様の執事がわかりやすくお届けいたします。
日常に疲れた方、ストレスが溜まっている方、暇な方は処方箋も出でおりますので、どうぞお好きなアニメを処方してみてください。

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