fc2ブログ

普段は陰キャなヘタレでも、人のためならなりふり構わず本領発揮でピンチも救う。それが、ギターヒーロー。「ぼっち・ざ・ろっく!」

営業職である私は決して営業が得意なわけではありません。もちろん、慣れた得意先ではへらへらと営業できますが、初めて接するお客様、あるいは新規開拓先ではいつも口から心臓が飛び出るほどに緊張して、なかなか100%の力を発揮できません。緊張を相手に悟られないように振る舞って営業しているつもりですが、果たして相手にはどう映っていることやら。

コロナ禍で低迷していた売り上げは徐々に回復基調にあるものの、黙ってそれを待つばかりではいられないために新規開拓も当然しないといけません。ただ、私はプレッシャーに弱い方の人間ですので、何かしら理由をつけてはテレアポやzoomでの商談という行動を先送りにしています。明日からガンバルぞ!っと。

残念ながら、今日という日のうちに今日頑張る!という気持ちと行動が伴わない人には、神様はなかなか微笑んでくれないようです。問題を先送りにするのはやはり、大抵はよろしくない結果を招きますね。

小学校の校長先生が事ある毎に全体集会で言っていた大事な言葉を思い出しました。「人には4つの気が大切です。元気!本気!根気!ブレーキ!」大人になり過ぎた今、(今かよ!)その言葉の真意を痛烈に受け止めております。ようやくあの時の先生の言葉が私の心に届きました。校長先生ありがとう!スロースターターでごめんなさい。

病院から退院してから最近は、溜まっていた2022秋アニメをせっせと観ています。その中でとても面白い作品に出会いました。女子高生ロックバンドグループの日常を描いた「ぼっち・ざ・ろっく!」です。女子高生の軽音楽部の日常を描いた「けいおん!」がかつて一世を風靡いたしましたが、こちらはお話の舞台が部活ではなく、ライブハウスが主な活動の場となっています。

どんなお話しかと言うと、人見知りでコミュ障で友達もいない主人公の女子高生が、ひょんなことからロックバンドのサポートメンバとーとして勧誘され、断り切れないままステージに立ったり、コミュ障なのにライブハウスでバイトを経験したり、ひとりでは今まで到底成し得なかった経験を積んでいき、仲間と共に音楽ライフを充実させてゆく一人の少女の非日常?をコミカルに描いたサクセスストーリー?作品です。

ぼっち・ざ・ろっく!11

ギャグがメインですが、たまにシリアスなお話も入るバランスがとても心地よく、肩の力を抜いて楽しめる作品だと思います。人と接することが苦手な主人公が、自分の大好きなギターでコミュニケーションをとっていくことで徐々にコミュ障を克服していき、周りの人たちにも少しずつ彼女のすごさが知れ渡り、それと同時に友人や社会・人に認められる存在に成長していく、等身大の主人公に共感できる物語です。

ガールズバンド(ロックバンド)のお話しなのですが、現実のロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」との関りもあるようで、主人公を含むバンドメンバー4人の名前はすべてアジカンメンバーの実際の苗字が使われています。それと12話あるお話の各サブタイトルはアジカンの曲がモチーフになっているそうです。劇中歌として主人公のバンドグループ「結束バンド」(皆さんが知っているホームセンターで売っている、あの結束バンドがバンド名なのです(笑))の曲がいろいろ流れるのですが、マジで作られていますし、ちまたでは結束バンドのアルバムが結構売れているらしいですよ。

引っ込み思案な主人公が今のままではダメだと一念発起して自分を変えようと努力する姿と、人から見られることをいつも気にしていたことが良い方に災いして、誰よりも周りの状況を客観視できることでみんながピンチの時に助けられる、まさにヒーロー的な存在になっていくストーリーが爽快で、カッコイイ作品なのです。私は原作を読んでませんので、主人公がどこまでおのれのギターの才能で社会の中でメジャーになっていくのかはわかりませんが、続きのアニメ2期・3期が登場するのを心待ちにしたいと思っています。普段は人見知りで初対面の人とは目を合わせて話をすることができないコミュ障でありながら、いざという時には底知れぬパワーをギターで魅せてくれる。

他アニメのパロディがギャグとして随所で非常に多く観られ、何のパロディかを考えるのもまたこの作品の面白いところです。そのあたりも音楽への注力と同等、スタッフの遊び心が多分に感じられて素晴らしいと思います。

「海賊王に俺はなる!」という某アニメならぬ「バンド王に私はなる!」と主人公は言ってませんが、「人気になってみんなにチヤホヤされたい!」とギターを始めたヨコシマな動機をお話の中で申しておりますので、いずれはギターで天下を取るのではないかと(笑)

ぼっち・ざ・ろっく!8

幼稚園の頃は友達の輪になかなか入っていけず、遠足の時は先生とお弁当を一緒に食べていた子。小学校でも友達は出来ず、中学生になっても学校と家を往復する毎日。スマホに来るメールは家族からの連絡とお知らせクーポンだけ。それが私、”後藤 ひとり”。中学一年のある日、テレビに出ていたバンドのメンバーのインタビューをひとりは目にする。そのバンドマン曰く、実は自分は暗い学生生活を送っていた陰キャで、バンドマンは陰キャでも輝ける、と言っていたのだ。

極度の人見知りで陰キャなひとりはそれを聴いて衝撃を受ける。急に立ち上がるやいなや、「あっ、お父さん、ギター貸して!」「いいけど・・・」父の返事を聴くと、二階にギター―を探しに向かった。「バンド組んだら、こんな私でも、もしかしたら輝ける?」 ひとりはギターを持ち、姿見の前で満足げな表情を浮かべた。「ギター、上手くなる。学校でバンド組んで、それで文化祭でライブして、みんなからチヤホヤされるんだ。」そんな妄想をしながらひとりは押入れの中でギターを独学で練習。毎日6時間の練習を積み重ね、それなりの腕前になり、気が付けば3年の月日が流れていた。

高校生になって早一か月。バンドどころか友達を一人も作れずに中学を卒業してしまったひとり。それに気づき、その想いを「押し入れより愛を込めて」という曲にして、動画サイトにアップロードするひとり。彼女は時折、人気バンドのコピー曲をギターで弾いては動画投稿サイトに投稿をしていた。ひとりの音楽動画はそれなりの視聴再生数を稼ぐまでに達していた。

ひとりは視聴者からのコメントを見てバンドメンバーを集める秘策を思いつく。いかにもバンド女子だという格好をして高校へ通うという行動だった。ギターを背負い、自分の格好に見惚れながらクラスに入るが、誰もその格好に反応を示すものがいなかった。さらにロックの雑誌を広げながらいかにもロックやってます、という雰囲気を醸し出すが、これも不発に終わる。 気が付けば放課後になっていた。

学校からの帰り道、ひとりは公園で途方に暮れていた。そんなひとりに声をかける女子が現れた。「それ、ギターだよね。ギターは弾けるの?お願いがあるんだけど、今日だけうちのバンドのサポートメンバーになってくれない?急にバンドメンバーが止めちゃって。」ひとりは驚いた。彼女は”伊地知 虹夏”(いちじ にじか)という。しかし、何も答えないままにひとりはその女子に手を引かれるままに下北沢にあるライブハウスSTARRY(スターリー)に連れていかれる。

突然の出来事に平常心でいられないひとりだったが、ライブハウスに入るとそこは暗くて押入れを感じさせてくれる雰囲気で、ひとりは落ち着きを取り戻す。「自分は3万人も登録者を抱えるギターヒーロー(ネット上でのハンドルネーム)なんだから大丈夫!」そう言い聞かせた。ひとりは虹夏からバンドメンバーの"山田 リョウ”を紹介される。ボーカル兼リードギターがいないため、メンバーはドラムの虹夏とベースのリョウの二人だけだった。今日はボーカルなしでのインストロメンタルで行くそうだ。

ぼっち・ざ・ろっく!6

虹夏から演奏予定のセットリストを渡されたひとりは、それを見ていけそうだと確信した。早速、3人で演奏してみるが、その後の虹夏とリョウの反応が怪しい。二人から演奏した感想がこぼれる。「度へただ。」自信たっぷりだったひとりはへこみ、そして二人に謝るのだった。ネットでは評判の腕前だったひとりは一気に自信喪失。なぜなら、ひとりは演奏が一人では上手なのに、人に合わせてギターを弾くことが初めてのため、実力を十分に発揮することが出来なかったのである。

ひとりは一緒に演奏することを辞退しそうになる。それに対してリョウも無理強いはできないと虹夏に伝える。「無理に誘ってゴメン。」虹夏がそう言うと「でも、誘ってもらってうれしかったんです。バンド組みたいと思っていて、でも集まらなくて。売れ線人気バンドのカバーを弾いてネットに上げていて。」

それを聞いた虹夏は自分がネットで良く聴く「ギターヒーロー」みたいだといった。リョウもまた、ギターヒーローのことは知っていて、とても上手いと言ってくれた。もちろん、二人ともひとりがそのギターヒーロー本人であることは知らないわけだが。有名な人でも努力の積み重ねをきっとしていると思うんだ!という虹夏のギターヒーローについての言葉を聴いて、リアルでも私のことをちゃんと見てくれているということを知ったひとりは、やる気を振り絞って立ち上がった。

「けど、こんな優しい人がいて。私に声をかけてくれて。こんな奇跡、二度と起こらない。絶対ムダにしちゃだめだ!」ひとりはそう心に言い聞かせるのだった。

「あの、私、その・・・」「もしかして出てくれる気になった、とか?」虹夏が答える。「頭ではわかっている、でもやっぱり怖い。お客さんの目線も耐えられるわけが・・・」ひとりがそう思っていると、察したリョウが段ボールを用意してくれた。「怖いならこれに入って演奏したら?」段ボールを被ったひとりは無敵なのだ。

段ボールを被ったまま、ひとりはライブでの本番をどうにか無事に終えることができた。「今日は楽しんで演奏することに集中し、技術的なところは次回から。」そう虹夏に言われたひとりは、また一緒に居て良いと言われたことで承認欲求が満たされるのだった。

ライブから帰宅する帰り道、ひとりはこころに誓う。「絶対、コミュ障直して、ギターヒーローとしての私の力を発揮するんだ!虹夏ちゃん、リョウさん、結束バンドのために・・・」(第一話)

この後のお話しで、結束バンドの4人目、”喜多 郁代”が登場いたしますのでお楽しみに!

ぼっち・ざ・ろっく!10

この作品は、「まんがタイムきららMAX」に2018年3月より連載の漫画家”はまじあき”さんの同名漫画が原作です。アニメ化され2022年10月~12月に”BS11”他にて全12話が全国放送されました。同時に”Netflix”、”dアニメストア”、”U-NEXT”、”Amazon Prime Video”、”ニコニコチャンネル”他インターネットでも配信されております。

監督は”斎藤 圭一郎”さん、脚本・シリーズ構成はテレビドラマの脚本も手掛ける”吉田 恵里香”さん、キャラクターデザインは”けろりら”さん。アニメーション制作は、「明日ちゃんのセーラー服」「その着せ替え人形は恋をする」「SPY×FAMILY」「シャドーハウス」など最近の話題作を輩出している"CloverWorks"です。

今回の作品のキャストは、後藤ひとり/”青山 吉能”(よしの)さん、伊地知虹夏/”鈴代 紗弓”(すずよ さゆみ)さん、山田リョウ/”水野 朔”(さく)さん、喜多 郁代/”長谷川 育美”さん の4人が結束バンドのメンバーでメインヒロインです。どの声優さんもおそらく20代の若手の方ですが、それぞれにキャラの個性を上手く引き出して特徴づけて演じています。特に後藤ひとり役の青山 吉能さんは人見知りでコミュ障的な役柄とほめられると調子に乗るという役柄を場面に応じて面白おかしく上手に演じ分けていたようで好感が持てました。私見ですが、皆さんそれぞれが今後で大活躍が期待できる予感がいたします。

最後は曲の紹介です。聴き込むと結構クセになります!
オープニングテーマ「青春コンプレックス」
劇中歌「ギターと孤独と蒼い惑星(ほし)」5話・8話
    「星座になれたら」12話
    「忘れてやらない」12話

人間、ダメなところはたくさんあっても、どこか他人よりも秀でるところがあればきっと輝くことが出来る、そんなメッセージを感じるこの作品。多くの方に観ていただきたいなって思います。

見る参考になったよ、という方はぽっちいただけるとうれしいです。

にほんブログ村

人気ブログランキング

目の前にある出会いに、ただ素直に感謝できる域に達するにはそれに見合った経験・対価が必要である。「リコリス・リコイル」

9月以降の久々の記事投稿になります。実は最近まで病院に入院しておりました。誕生日の翌日の10月30日に救急搬送され、11月1日に手術、その後入院となり11月24日に退院してまいりました。血圧がもともと高いこともあって昨年の夏より降圧剤を飲んでいましたが、飲む時期が遅かったのでしょう。脳の血管がすでにダメージを受けていまして、今回、搬送された後に検査したところ、くも膜下出血を起こしているとのことで有無も言わさずの即、手術となりました。

入院時に聞いた話では、その症状を発症した方の1/3はそのままお亡くなりになるそうで、1/3の方は退院しても何かしらの体への後遺症が残り(口のろれつが回らない・半身不随とか)、残りの1/3の方は前とあまり変わらない体の状態で社会復帰されるとのことで、私は最後の1/3に奇跡的に入ったそうです。意識を取り戻すまでの間に亡くなった家族が夢に出てくることもなく、まだこの世で生きてて良い、という神様・仏様の判断もあったのかもしれません。

多少、手術で頭を切ったぐらいで他におかしいところがなかったのは、やはり、奇跡的な事なのかもしれませんね。一度亡くした命だと思ってこれからは大事に生きるようにします。おそらく、これからは物事の判断基準や考え方が180度変わるんじゃないかと思いますが・・・。

先日、アニソン界の帝王と呼ばれた水木一郎さんが亡くなりました。皆さんもご存知の昭和の時代から現在までアニメの主題歌をたくさん歌われていた方です。私が子供の頃観ていた「マジンガーZ」「バビル二世」「超電磁ロボ コン・バトラーV」など馴染みのある曲は相当なもので、私も水木さんの歌を聴いて大人になった一人です。生活の中で身近な存在であった方が亡くなるのはやはり残念であり、とてもショックなことですね。これからも味のあるカッコいい数々の曲は私の記憶に残っていきます。長い間、私たちに夢と勇気を与え続けてくれた水木さん、今までありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。

久々の投稿、何にしようかと思いましたが、今年の夏アニメでかなりの話題となった「リコリス・リコイル」を紹介いたします。平和な日本で特殊訓練を受けた少女たちが、国家に抗うテロ組織・犯罪者たちを極秘のうちに暗殺するという、物騒でぶっ飛んだ物語です。

私が高校生の頃の映画「セーラー服と機関銃」では薬師丸ひろ子さんがセーラー服で機関銃を盛大にぶっ放していたのを思い出しましたが、犯罪や武器と一番無縁なのが高校生ですよね。そんな似つかわしくないギャップありな、痛快でちょっと泣けてカッコイイ、ガンアクションばりばりのアニメが今回の作品です。

主人公の二人の高校生?キャラがとにかくカワイイことももちろんありますが、個性的なキャラでキャラ立ちしていて、この娘たちが日本を守っているというギャップのある設定と先が観たいと思わせてくれるストーリー展開、見ごたえあるガンアクションシーンがたっぷりあって、最後までワクワクドキドキが止まらない作品です。

作品をイメージさせるオープニングテーマとエンディングテーマもどちらも甲乙つけがたいチョイスで、作品コンプリート後も何度も聴きたくなる中毒性を持っています。観終わった後にリコリス・ロスになった方は確実にOP・EDを何度も聴き込んでいるのではないかと。

リコリス・リコイル1

喫茶リコリコで働く"錦木 千束(にしきぎ ちさと)"17歳。日頃は先生と呼んでいるお店のマスター”ミカ”からの電話を受け、千束は依頼先の現場へ。向かった先はとあるビルの6階。そこでは制服を着た少女たちが敵対勢力と銃撃戦を繰り広げていた。ミカは敵を狙撃するために現場が見渡せるビル屋上でいつでも対処できるよう待機していた。

敵は銃の密売組織で、一人の少女が敵に捕まっている状況。彼女たちは平和な日本で起こる”テロ・犯罪を未然に防ぐために”国を守る公的機密組織”DA(Direct Attack)の戦闘部隊”リコリス”と呼ばれるメンバー達だった。10数えるうちに戦闘を止めなければ人質を撃ち殺す、と言いながらカウントダウンを始めた敵陣。千束は外階段を上り現場へ向かっていたが、果たして間に合うのか?

本部の指令を仰ぐ現場指揮官・フキだが、本部との通信が途絶えて判断を下せずにいた。そんな中、リコリスの一員"井ノ上 たきな"は状況を察し、近くにあった機関銃を見つけ、それを使って単独で敵を射ち、殲滅した。千束が現場に到着するタッチの差で事件は幕を閉じたのだ。敵は全員死亡、人質となっていた少女は無事であった。

その後、本部指令に従わなかった”たきな”はリコリス支部へと転属が決まった。リコリス支部にはリコリスNO.1の実力を持つ赤い制服を着た”ファースト・リコリス”がいるとのこと。そこで学ぶことも多いと聞かされた たきなは「喫茶リコリコ」へ向かった。中に入るとカウンターに”中原 ミズキ”という女性とマスターのミカがいた。

いずれも たきなのお目当てのリコリスではなかった。すると、そこへお店の制服を着た一人の少女が現れた。千束だった。「今日から入った相棒だ。」とミカに言われた千束はたきなを観て上機嫌になった。たきなは16歳で千束が一つ年上になる。早速、千束はたきなを連れてリコリコの仕事を紹介しようと外へ連れ出した。

向かった先は保育園、日本語学校、組事務所。支部はいったい何をするところなのか?たきなにはわからない。千束に聞くと彼女は答えた。「困っている人を助ける仕事だよ。」「個人を助けるリコリス?」とたきなはつぶやく。「私たちは国を守る公的機密組織のエージェントですよ。」それを聞いた千束は答える。「DAが興味を持たなくても困っている人はいっぱいいてさ、助けを求めてる。だから、たきな、力を貸して。」そういって千束はたきなと握手を交わすのだった。

リコリス・リコイル8

更にその後向かった先は警察署。千束は馴染みの警部補に挨拶すると早速、警部補から仕事を頼まれた。スト-カー被害に遭っている”さおり”という女性に同姓なりに千束からいろいろと事情を聴いてほしい、という内容だった。さおりの連絡先を聴いた千束はすぐに彼女に連絡を取った。

喫茶店で千束とたきなはさおりと落合い、これまでの事情をさおりに聴いた。朝日が映ってインスタ映えするビルの前で彼氏と写真を撮り、その写真をSNSにアップしてからストーカー被害に遭ったのだという。写真にはなにも映っていないとさおりは言うが、その写真を拡大してよく見ると、たきなが絡んでいた銃密売事件のビル現場がしっかり写真の背景に映っていた。

ネットでこの写真を見つけた犯人グループは、さおりのもとからその写真を消去するためにさおりに近づいたようだ。さおりはそのことにまったく気付いてない様子。彼女の身の危険を察した千束は、さおりに寄り添うために彼女宅に泊まることを提案。成り行きでパジャマパーティを開くことになった。OKの返事をもらった千束は支度をするために彼女の護衛をたきなに頼み、一旦、リコリコへと戻ることにした。

さおりとたきなが会話をしながら歩いていると、後ろから不審な車が迫っていることにたきなは気づく。さおりに先に家に向かうよう話をした たきなは、彼女から離れて後ろの不審者の動向を探る。一人になったさおりを捕獲の絶好のタイミングと判断したその車は、彼女に横付けし、袋を頭からかぶせて車内に引きずり込んだ。彼女からスマホを取り上げた男たちは映っていた現場写真を消去した。頃合いを見計らっていた たきなは車に近づき、車めがけて拳銃を乱射し始めた。

そこへ千束が駆けつけ、たきなに問う。「護衛対象をおとりにしたの?」たきなは答える。「彼らの目的はスマホの画像を消去することです。さおりさんを殺す意図はないと思います。」「人質になっちゃうでしょ。」千束は たきなにそう伝えた。銃撃が止んだそのすきに、犯人たちが逃げようと車から出てきた。それを見逃さない千束は銃を構えて車に近づき、次々に敵を撃ってその場を鎮圧した。

千束が撃った敵を見て、その弾丸に殺傷能力がないことに たきなは気づく。「命大事にって、敵もですか?」たきなの言葉に千束がうなづく。「そう。」千束はそう言いながら負傷が激しい敵から手当をしていった。さおりを無事救出し、事なきを得た二人。

喫茶リコリコで一緒に働くことになった たきな。リコリコのユニフォーム姿に着替えたツインテールの可愛らしい たきなを見て、千束のテンションはMAXに。開店と同時に一人の男性が入ってきた。「ミカ、やぁ。」そう話しかけてきた男性を見て、ミカは驚いた。この男性はいったい何者?ミカとの関係性はいかに?ミカの驚きの理由とは?リコリス支部において成果を収め、本部に認められて本部復帰を果たしたい たきなの野望はいかに?(第一話)

リコリス・リコイル9

治安国家日本で起こる事件は事故に、悲劇は美談へと治安維持組織DAによって日々、それらは塗り替えられてゆく。リコリスは身寄りのない孤児ばかりが集められ、組織されている。彼女たちに戸籍はない。ゆえに、もし、事件に巻き込まれて死んでも表には決して出ない存在なのである。それは果たして正義と言えるものなのか?

登場する人物たちがその場面場面で善人にも悪人にも見える玉虫色の不思議な世界がここでは描かれています。

この作品は、脚本・作画・キャラ設定のどれもが非常に満足いく作品で、更にとても個性豊かなキャラを最大限に活かす声優さんの演技力も素晴らしいものがあります。

人々に映る平和な表社会の日本、そしてそれらを壊そうとする危うい裏社会の日本。テロ・犯罪を起こす者たち、それを未然に防ごうとする者たち。様々な人物が登場し、毎回、いろんな伏線が用意され、物語は膨らみ、進んでいきます。

リアリティを感じる動きある作画・ガンアクションも見どころいっぱいですね。相手から放たれ向かってくる弾丸をすべて読み切り・よけ切り、そして弾丸を相手に打ち込む千束の無双の戦闘能力は常に圧巻です。

底抜けに明るく、人を助けることに何のためらいもなく行動できる千束、クールで合理的主義なため、時にその行動が人に誤解を生じさせる たきな。二人がバディを組むことで徐々に互いを理解し助けあえる間柄に成長してゆく、そんな人間関係の描かれ方や、二人の価値観の変化も見どころかと思います。

ただ国家の治安維持のためだけに戦う事で生かされているリコリス。リコリスの歴代最強と言われる千束ですが、他のリコリスとは考え方が違って、ただ戦うだけの存在ではない、自分のために生きることの大切さをたきなに伝えます。たきなもいずれその真意を理解していく、そんなハートフルな繋がりもあって単なるガンアクションにとどまらないところが良いですね。 

物語が進行していくと自分にとっての正義とは何か?守るものは何なのか?人との関りで大事にしなきゃならないことなど、様々なエピソードを通していろんなことを投げかけてきます。感じ方は人それぞれですので、その中で皆さんも思い思いの感じ方をされてみると良いかと思います。

リコリス・リコイル2

この作品はオリジナルTVアニメであり、漫画も同時進行で展開されています。原作は”spider Lily”という名義扱いで、原案は小説・ライトノベル作家の”アサウラ”さん、監督・シリーズ構成は「WORKING!!」「ソードアート・オンライン」のキャラクターデザインを担当した”足立 慎吾”さん、キャラクターデザインは「この美術部には問題がある」を描いた漫画家・イラストレーター”いみぎむる”さん、アニメーション制作は”A-1Pictures”です。

2022年7月~9月で全13話が”BS11”で放送されました。”ABEMA”、”ニコニコチャンネル”、”Prime Video”、”Netflix”、”dアニメストア”、”U-NEXT”他インターネットでも配信されております。

今回の注目すべき声優さんは、何と言ってもヒロインを演じたお二人です。

先ずは錦木 千束役の”安済 知佳”さんです。「響け!ユーフォニアム」/高坂 麗奈、「サクラクエスト」/緑川 真希を演じた方ですが、クールだったり真面目だったりと言った役どころであまり目立つ存在ではなかったのですが、今回の千束は個性的な役どころですので、安済さんの演技力が際立った感じがいたします。今後の出演作品と役柄も注目していきたいところです。

そしてもう一人のヒロイン・井ノ上たきな役の”若山 詩音”さんです。彼女は最近の作品ですと、「さよなら私のクラマー」/越前佐和、「take OP.Destiny」/運命&コゼット・シュナイダーを演じた方です。今回の役では前半はクールに振る舞い、後半は感情を爆発させるヒロインの成長・変化を上手く演じられていたように思いました。

このお二人の掛け合いも見事で、作品全体に占めるキャラの魅力の貢献度はかなりのものと言えるんじゃないかと個人的には感じています。

最後はOP・EDの紹介です。何度聞いても飽きない、リコリス・リコイルの世界がたっぷりと刻まれた歌詞と軽快なメロディが最高にGood!です。


オープニングテーマ「ALIVE/ClariS」
エンディングテーマ「花の塔/さユり」

社会の中で自分はこれからどういうスタンスを取っていくのか?人にどう接していけば良いのか?いろいろな事も感じさせてくれるとても感慨深い作品ですので、皆さんも機会があったらぜひ、観てくださいね。

見る参考になったよ、という方はぽっちいただけるとうれしいです。

にほんブログ村

人気ブログランキング

縁あって人は人と繫がっている。一期一会、人との関りも大事にする京都の和菓子屋の四季の御菓子と人情噺が心に響く。「であいもん」

日本に住んでいる人々にとって四季を感じることが出来るのは当たり前ではありますが、ある意味、とても贅沢なことかと思っています。一年の中でしっかりとした変化によって四季を目で耳で体で感じることが出来るのは、日本人に与えられた特権じゃないでしょうか。外国で暮らしたことがない私には日本と外国の四季の違いがよくわかりませんが、よく聞く話で、日本の四季は季節の違いが外国よりはっきりしていて季節ごとの趣きをより感じることができるらしいですね。

日本の文化も昔からこの季節に寄り添って生まれ、親しまれてきたんだと思います。短歌や俳句の楽しさはまさにこの季節を上手に取り入れてなんぼなんだと。食べ物も日本では四季に応じたおいしいものがたくさん登場しますよね。夏の風物詩なんて言い方でもその季節のおいしいものが取り上げられますね。そんな中で、気になるのは和菓子。あまりにも身近すぎて灯台下暗しだったのがこのジャンルです。季節に応じて日本人はそれぞれの和菓子を食べてきました。春には桜餅、夏には水ようかん・わらび餅、秋には月見団子・栗饅頭、冬にはじょうよ饅頭・花びら餅などいろいろありますね。

とても身近なジャンルですが、確実に皆さんも日ごろからこういった和菓子を無意識のうちに思わず購入して口にしていることでしょう。和菓子は私たちが季節を愛でながら味わうことを前提に、職人さんが丹精込めて季節を表現して作られています。今更ですが、この当たり前の文化が日本には昔からあって、世界に誇れるクールジャパンとも言えますし、こうしたものを常日頃から体験できるのは日本人ならではの贅沢の極みなんじゃないかと思います。

今回紹介します作品は、こうした四季折々の和菓子がたくさん出てくる京都の和菓子さんを舞台にしたお話しで、そこでつながった人々の群像劇を垣間見るアニメ「であいもん」です。

やはり、伝統の和菓子は京都でしょうし、本場の和菓子と四季の変化を感じながら、その中で繰り広げられる人間模様はとってもあったかくて、人との関りの心地よさを存分に感じることが出来るアニメです。人との関りがうざったいと思っていらっしゃる人もいるかも知れませんが、表面的にはうざくとも関わり合いを持とうとするその本意は案外違ったものであることも気づかせてくれる作品です。

「であいもん」という言葉は、食材の取り合わせの良さを言う言葉らしく、おそらく、人と人との出会いの良さ・すばらしさにもかけているじゃないかと思います。京都弁のはんなりとしつつも割とストレートな物言いの裏にやさしがいっぱいに詰まったお話にほろりとさせられる、そんな人情噺をぜひ、和菓子と一緒に味わってください。

であいもん1

先輩に教えてもらったギター。一足先にミュージシャンとして上京していった先輩を追いかけ、自らもミュージシャンを目指すため上京した”納野 和(いりの なごむ)”。バンド結成、10年が過ぎても鳴かず飛ばずで解散の危機目前のそんなある日、実家の母より和菓子が届く。実家は京都の和菓子屋”緑松”。へこんだ気持ちが吹き飛ぶほど、実家から送られてきたさくら饅頭は和の心を癒した。その和菓子の包みの中には手紙も入っており、父が入院したとの内容が書かれていた。

実家を継ぐ決心で和は10年ぶりに帰省、京都駅に着く。そこで見知らぬ小学生の女の子から服をつかまれ「パパ」と呼ばれてしまう。振り返ると「だれ?」と反対に女の子に言われてしまい、焦る和をよそに女の子は急いで立ち去ってしまう。どうや人違いのようだった。バスに乗って実家に到着した和は元気に挨拶して、10年ぶりに家の敷居をまたごうとするが、次の瞬間、父からの鉄槌を受け、おもいっきり外に飛ばされてしまう。

父の怒りも収まり家に入れた和。父が入院と聞いて、これからのことを考え、自分がこの店を継ぐために帰ってきたと和は話す。「ろくに修行もしてないもんに跡は継がれへんし、もう跡継ぎはおるさかい」と父が話していると、「ただいま。」と言って一人の女の子が家に入ってきた。その女の子は、先程、駅前で勘違いされた女の子だった。「世の中に似ている人は3人はいるってゆうし、それよりこの方、誰ですか?」女の子は慌てながら恥ずかしそうにそう答えた。

「息子の和や。悪いけど挨拶したってくれるか?」父がそう言うと「息子さんって、この店捨てて出てったきりで、ろくに便りもよこさないっていう・・・。”雪平 一果(ゆきひら いつか)”です。一年ぐらい前から居候させてもらってます。中途半端にお店を捨てて行った人にはお店は任せられません。」とそう答えた。そういうと、敵対心のまなざしを和に浴びせながら一果は席を立った。

着替えてお店に出てきた一果はてきぱきと仕事をこなしており、父が言う通り、まさにお店の看板娘だった。しかし、子供らしくない、大人を頼ろうとしない一果を観て、和は何か釈然としなかった。母が言うには、一果はすでに母親とは生き別れになっていて、一年前に父親と一緒にこの店を訪ねて来た翌日、父親が手紙を置いていなくなってしまい、一人になってしまった一果をうちで引き取ることにしたらしい。そういうことがあってか、一果は他人に頼ることをしないでなんでも一人で背負ってしまうと。何のあとくされもない和に一果の父親代わりになってあげてほしい、と母は和に話す。和はその言葉をかみしめ、一果の父親代わりになることを決意する。  

和菓子屋の朝は早い。修行の身を許された和も翌朝から5時に起床。体力もままならない和は父の監視のもと筋トレからスタート。和は仕事の合間に一果に時折、声をかけるが返答がなく、なかなか打ち解けない日々が続いた。そんなある日、一果あてに1本の注文の電話が入る。電話に出た一果は饅頭100個の注文を受け、満足な表情を浮かべていた。翌朝に饅頭は出来上がり、一果は注文客が来るのを楽しみに待っていた。しかし、閉店間際になってもそのお客さんは来ない。和の母が相手先に確認の電話を入れると、現在使われていません、のアナウンスが流れた。

「一果は気にせんとき。子供だと思ってからかわれたんだろう。しゃあない。」和の父はそう言った。しかし一果はその饅頭の入った手提げ袋をつかんで「私が何とかします!」と言い放った。「子供一人で何が出来るねん。そんなとこ意地張るとこやない。」和がそう言うと「意地やない、責任や!責任果たすのに大人も子供も関係あらへん!」そう言って一果は袋を持って飛び出して行った。連れ戻しに行こうとするみんなを制止して和は言った。「あとは任せとき。」

駅前で必死に饅頭を売ろうと声を張り上げる一果。しかし、誰一人として足を止めるものはいない。時間だけがだた過ぎ去ってゆく。「またいらん子になってしまう。」一果は自分の居場がなくなると思い始めたそんな時「待たせたな。よう一人で頑張った!後は任せとき!」栗饅頭の被り物をかぶった和はギター片手に現れ、そう言った。「ライブの始まりや!」和は軽快にギターを弾きながら饅頭の歌を歌い始めた。 突然の音楽とコミックソングに行きかう人々の足が止まる。相手に合わせたセールストークも手伝って次々と饅頭が売れ始めて行く。

であいもん5

ようやく、全部売り切った和は一果に言葉をかける。「何とかさばけたなあ~。失敗したっていいねん、うちの子やろ。オレからしたらまだひよっこやん。そうや、2個だけ、くすねておいてんねん。」そう言って饅頭1個を一果へ渡した。「720円です。」「しっかりした跡継ぎやなあ。うわあ、うまいなあ。人はうまいもん食べると元気になるんや!」それを聞いた一果は一瞬はっとした表情を浮かべた。「いやあ、最高にうまいよな、うちの饅頭。」「はい。」和と一果が初めて心通わせた瞬間だった。この先、和は一果の父親代わりになっていけるのだろうか?一果はみんなと気持ちを分かち合って過ごしていけるのだろうか?そしていつの日か一果の父は彼女を迎えに来てくれるのだろうか?(第一話)

この作品の主な見どころは大きく二つあります。一つは和菓子と和菓子職人についてです。季節が移り行くにあたり、様々な季節ごとの和菓子が登場しますが、おなじみの和菓子やまだ知らなかった和菓子など色々と出てきて、あらためて和菓子の奥深さを知ることが出来ます。関東と関西での和菓子の違いがあるなんてことも私は知りませんでしたので、ただただ感心させられました。

また、お菓子を作るための様々な材料の段取りや工程など、作り手の裏側もでてきて本当にためになります。こうやって、こんな苦労があって日ごろ何気なく食べている和菓子が出来上がっているのか、「和菓子&職人さんリスペクト!」な気持ちでいっぱいになります。主人公・和がお店で丹精込められて作られた和菓子が売れてゆく様を観て、思わず涙ぐんでしまうという気持ちがちょっとわかるような気もしました。

職人が和菓子を作るシーンを観ていると思わずその手さばきを追って観てしまい、カッコイイと思ってしまいましたね。きれいでおいしい和菓子を量産するためには、自ずと職人さんの繊細で熟練な技が必要であることも納得できるのと同時に、このような仕事もしてみたいなあ、なんて和菓子職人に憧れを持ちたくなる、そんな作品でもあります。

そして、もう一つはここ緑松で働く人たちとこのお店に関わる人々に焦点が当てられた人間模様・群像劇です。日常の中で様々な人々の関りが出てきますが、ストーリーの中で自然な形でさりげなく、ドラマチックなお話が流れていきます。ここがポイントです。自然で・さりげなく・ドラマチックに!なんです。だからいつの間にか知らないうちに感情移入して泣いてしまうんですね。脚本が「のんのんのんびより」シリーズや「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の脚本・シリーズ構成を担当した”吉田 玲子”さんってこともあってのことかとは思います。

オープニングテーマの歌詞にも出ては来るのですが、夢を追いかけている人や恋心を持っている人、恋愛を壊してしまった人、その他にも親子の関係を作り直したい人、大好きな人を待ち続けている人などそれぞれの想いを抱えている人がたくさん登場します。人によって抱えている問題はひとそれぞれで、本人にしかわからないこともたくさんあります。ただ、みんな何かしらの悩みを抱えて生きているんだという事を理解して、つながりを持つ相手に対しては様々な形で寄り添うことはできるのかも知れません。そんなところもぜひ、感じながら観ていただきたいですね。

であいもん2

この作品は、KADOKAWA発行の青年向け月刊漫画誌「ヤングエース」にて2016年5月号より連載中の漫画家・”浅野 りん”さんの同タイトル漫画が原作です。既刊14巻。アニメ化されて2022年4月~6月に全12話が”BS11”にて全国放送されました。インターネットでは”dアニメストア”・”ニコニコチャンネル”・”ABEMA”・”Amazon Prime Video”・”U-NEXT”他で配信されました。監督は”追崎 史郎”さん、シリーズ構成・脚本は「たまこまーけっと」「たまこラブストーリー」「たまゆら」シリーズ、「のんのんびより」シリーズ、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、映画「聲の形」のシリーズ構成・脚本を手掛けた”吉田 玲子”さん、キャラクターデザインは”渋谷 秀”さん、アニメーション制作は”エンカレッジフィルムズ”。

声優さんは、主人公・納野 和役は”島﨑 信長”(しまざき のぶなが)さん、ヒロイン・雪平 一果役は”結木 梢”(ゆうき こずえ)さんです。島﨑さんが今まで演じてきた代表キャラは、「あの夏で待っている」霧島 海人、「Free!」七瀬 遙、「俺物語!!」砂川 誠、「はんだくん」半田 清、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」ユージオなどです。今回の作品はお調子もんで人あたりが良く誰からも好かれるタイプの青年役ですが、京言葉も加えて見事に演じきっております。すがすがしいくらいのこの役柄は彼しかいないのでは?と思わせてくれるぐらいピッタリな印象でした。

一果役の結木さんはメインキャラは今回が初めてのようですが、子供ながらにして1本筋の通った京都の女の子を堂々と演じています。背伸びしている一果、時に見せる子供らしい部分の一果の両方をきちんと魅せてくれています。今後の活躍が非常に期待できる若手声優さんじゃないでしょうか。

他の役柄も皆さん、地に足がついた方ばかりで固められ、キャストの良さが感じられる作品です。京都が舞台の物語なので当然、京都弁必須ですが、皆さんお上手で、脚本以外でもそうした配役の良さが手伝って観る側が作品にきちんと集中でき、作品の完成度の高さがうかがえます。

また、絵がとてもやさしいタッチで良いですね。京都の鴨川をはじめ、神社や京都のお祭りの時期にも訪れて観たいという気にさせてくれます。そしてオープニングとエンディングの作品を包括するようなメロディと歌詞がジャストフィットしていて最高ですね。どこをとっても京都の良さ、そこに住まう人の好さがにじみ出てくる作品です。

オープニングテーマ「菫(すみれ)/坂本 真綾」
エンディングテーマ「ここにある約束/ayahoと曽我 淳一」

人にはそれぞれの人生があってそれらは千差万別ですが、表に見える見えないに関わらず、それぞれの人たちのいろんな人生が交差して人間関係や人とのつながりが出来ていることをこの作品は感じさせてくれます。それぞれの決して薄っぺらくない人生を考えたらその関りを今以上に大切に・大事にしていかないといけませんよね。

偶然ではないお互いの交わりを感じたら、お互いの関りを今日以上、明日以上にもっと楽しくしていきませんか?

見る参考になったよ、という方はぽっちいただけるとうれしいです。

にほんブログ村

人気ブログランキング

自分に与えられた時間・出会い・出来事を実のあるものにするためには、今、この一瞬一瞬を大切に生きる。「明日ちゃんのセーラー服」

4月以降、久しぶりの投稿になります。早いもので季節も移り変わり、もう秋になりました。実は今年の5月5日に母が他界しまして葬儀・供養も終わりましたが、気持ちもいささか落ち着かないこともあってしばらくブログから離れていました。4月以降に当ブログにお越しいただいた方々、せっかく訪問いただいたにも関わらずこちらから訪問せずに申し訳ございませんでした。徐々に訪問も記事投稿も以前のペースに戻して行けたならと思っております。

私の母は享年84歳。いつも冗談を口にする明るく社交的でポジティブな人柄で、自分の事より他人の世話を焼いてばかりいるとても尊敬できる母でした。生前の60代の頃は、全国母子寡婦福祉団体協議会の支部長を務めていた時期もありました。そして、常に人を喜ばせようとサプライズを考え・行動するサービス精神旺盛な人でもありました。「自分ではやりたいことはいろいろとやらせてもらったから満足しているし、いつ死んでも後悔はない。だから、もし私に何かあったときは延命処置だけはしないでほしい。」自分の寿命を感じる何かがあったのか、ここ1~2年は母に会うとそんなことを言っておりました。

自分の母はずっと元気でいる、そんな何も確証がない勝手な想い(そうあってほしいという願い)があってか、実家を出て暮らしていた私は年に1~2度ぐらいしか実家に帰っていませんでした。時間は永遠ではないのです。わかっていても、このペースだと母が生きているうちにあと何十回しか会うことができないかも?なんて頭の片隅で想いながらもなかなか実家へ帰れてませんでした。そんな気持ちを抱いていたここ数年ですが、ついにその日がふいに訪れてしまいました。

昨年の秋から徐々に体調を崩し、4月の二度目の入院から退院する予定が5月6日であったのに、退院する前に急変して帰らぬ人となってしまいました。私たち3人兄弟の母は子どもの日が終わる夜に、「兄弟いつまでも仲良く」のメッセージを手紙に残して旅立っていきました。いつも私たち子どものことを考えてくれていた、母らしいエンドロールでした。そして、その後の5月24日には次男の息子(私の甥っ子)の結婚式がありました。もともと予定していたおめでたい事ですので、こちらは予定通り行われたのですが、驚きは、ここでヴァイオレット・エヴァーガーデンの第10話に出てくるお話のような奇跡が起こったのです。

結婚式に出席できないと踏んでいた?もうこの世にいないかもと悟っていた?母は、内孫の結婚式に祝電を生前のうちに出していたのです。亡くなった母から結婚式当日に届いた孫へのサプライズの手紙。新郎新婦をはじめ、両親・参列者みんなが号泣です。家族への最高のプレゼントを残して旅立っていたのです。また、母が亡くなる数か月前に私が里帰りした際、帰りに持たされたお土産の中に、母が亡くなった際に包む香典その他にかかる費用を入れてよこしたこともありました。おそらくは、私の兄二人にも同じことをしていたのだと思います。自分の葬儀費用まで用意していた母。人に迷惑をかけないよう楽しく生きることが母のモットーであり、最後の最後まで隅々まで徹底した配慮ぶりは、まさに”飛ぶ鳥あとを濁さず”といった生き方でした。

いつも明るく話す母。しかし、亡くなる数日前に私に電話をかけてきた際は、いつもとは様子が違っていました。すでに私が高校1年の時に父は他界しておりますが、父が生きていた時代に実は離婚を考えた時期があったらしく、それでも離婚しなかったいう話を聞かされました。離婚すれば、長男を溺愛していた父は絶対に長男を引き取ると言ってくると踏んだ母は、兄弟が離れ離れになったらかわいそうだからと我慢した、そう私に伝えて初めて泣いたのです。いよいよカウントダウンに入ったことを母は感じたのでしょう。私は突然の告白と涙に驚きました。「我慢してくれてありがとう」そう、私は母に伝えました。この事実はまだ長男には話しておりません。いつかこれも母との思い出として離せる時期が来たら話をしたいと思っています。

母は最期まで明るく楽しい人柄を演じきった女優さんだったように私は感じています。兄とは違って晩年の母のつらそうな姿をあまり観てないこともあって、私はいまだに母が亡くなったという実感が持てずにおります。何も返すことが出来なかったという、悔いる気持ちが大きい事もそれを増幅させているように思います。”親孝行したいときには親は居ず”、というのは本当ですね。重い話になってすみません。いずれいろんな心のわだかまりが解消されるには、時間の経過を待つしかないかと思っています。同時に、私は自分の残りの人生を母のように賢く全うしていくことが出来るのか、ということを自問自答しながら過ごしていくのだと思います。母は私たち兄弟、孫たちにすばらしい生き方を身をもって教えてくれました。これは私たちにとってかけがえのない財産です。

母の話が長くなりましたが、私の今の心境で紹介出来る作品は二つだけかもしれません。本日はそのうちの一つ、「明日ちゃんのセーラー服」を紹介いたします。

明日ちゃんのセーラー服2

この作品は、主人公である中学1年生”明日 小路(あけび こみち)と彼女を取り巻く家族・友達との日常が描かれた、爽やかな青春物語です。作品のオープニングテーマ曲のタイトルは「はじまりのセツナ」と言いますが、曲の歌詞にも表されていますが本編の中でも随所で彼女たちの目の前にある今、この瞬間”刹那”を意識した、作品のどこを観ても彼女たちのまぶしい瞬間が常に感じられるアニメです。”刹那”とは仏教用語からきていようで、「きわめて短い時間・一瞬」を表す言葉のようです。青春の中のさらに短い瞬間瞬間を大切に生きているであろう若者たちにスポットを当てた作品と言えます。

作品の中で出てくる登場人物の動きをコマ撮りした描写や枠線がない1枚のイラストやポートレートと的な魅せる演出も入っていたりと、彼女たちの一瞬一瞬がとても輝いて見えるよう工夫された、そんな表現技法も気になる作品です。登場する人物たちはもちろん全員が魅力的に描かれていますが、この作品の舞台は田舎にある中学校のため、観るべきところは人物だけじゃなく、登校途中の田園風景や遠方の山々、木漏れ日が射す森林道や川のせせらぎ他、自然の美しさや移り行く季節まで余すことなく丁寧に描かれた背景も同時に楽しめる、観る側も瞬きが出来ないくらいに魅せられる、そんな作品かと思います。

それと気になるのはこの作品のタイトル。何故、セーラー服というワードがついているのか皆さんも一番気がかりなところかと思います。いつもなら第1話のあらすじとかで明らかにするのですが、今回はあまり詳細に触れない方が皆さんに楽しんでもらえそうですので、あらすじは控えめにいたしますね。主人公”明日 小路”はセーラー服姿でTVCMに出ているアイドル”福元 幹(ふくもと みき)”に憧れていることと、小路のお母さんも中学生の時にセーラー服をきていたので、セーラー服姿は憧れの存在なのです。そして、ただそれだけの理由でついているタイトルではないことを申し上げておきます。セーラー服は彼女の友達作りに非常に役立つ、超重要アイテムになり得るのです。詳しくは観てのお楽しみ!という事で。

彼女がいた小学校は同級生が一人もおらず、唯一、小学二年生の妹だけで、いつも二人で過ごしていました。小路には目標がありました。一生懸命に勉強して私立中学校に入学し、友達をたくさん作りたい、という目標が。そして念願かなってその”私立蠟梅(ろうばい)学園中等部”に入学するのです。そこはお母さんの母校でもあり、憧れの学校。小路は憧れのセーラー服を着てその中学校へ通うことになるのですが、都会からもやってくるお金持ちのお嬢様も多いその中学校で、彼女は無事にたくさんの友達を作ることが出来るのでしょうか?

明日ちゃんのセーラー服3

この作品の見どころは、今までに同世代の友達がいない環境から小路がどのようにして同級生と関りをもって自らがそれを切り開きながら友達を増やしてゆくのか?というところです。単に備わっているコミュニケーション能力だけの事ではなく、それ以外の方法も使って初対面であるみんなにアプローチする小路の姿に感心させられます。ある意味、その行動は小路の立派な戦略であり(本人は意識してやっていないとは思いますが)一生懸命さと努力と言い換えることが出来るでしょう。

人とコミュニケーションを円滑に行う上で、少なからず多少の積極性はあった方が望ましいのですが、コミュニケーションはそれだけではなく、別のアプローチの方法もある事を彼女は行動で示しています。その人にあった接し方、その人を知るための観察眼とまめなメモ力が他者と彼女の違いであり、彼女が友達を増やし続けることが出来る大きな糧となっています。

また、彼女に観られる特質は、逆境をプラスに捉えられる柔軟な思考能力と発想の転換能力、言い換えればプラス思考を持っていることが彼女の行動力原理に大きく貢献しているであろうことがうかがえ、そうしたことも彼女を形作る大事な要因になっていると思われます。グループの中でもリーダー的存在に映る人と言うのは、こういった能力に長けている人なんだろうなあ、といろいろ納得をしてしまう主人公なのでした。とても努力家なところと人に気遣いができて物事を素直に受け入れられ、それでいてプラス思考で行動派な彼女にまずは注目です。

そんな彼女が在籍しているクラスには、様々な個性の持ち主であるクラスメイトがたくさんいて、様々なエピソードと一緒に登場します。いろんな人がいて集団は形成されています。一生懸命その瞬間を生きる若者たちの姿はそれだけで素晴らしいものです。まばゆいそのきらめきを存分に感じるながら自身の青春も懐かしんでいただければ幸いです。

並行して、、小路の家族とのふれあいもしばしば登場いたします。明朗快活、スポーツ万能、天真爛漫な彼女を育てた母とは一体、どんな人なんでしょう?長期出張中で、たまに帰ってくるイケメンな父。さぞや娘には超甘~いお父さんかもしれませんね。そのあたりはぜひ、ご覧いただいてお確かめくださいね。小路の妹”花緒(かお)”。小学二年生の彼女はカワイイだけじゃない、時にはお落ち込む姉を叱咤激励する、とてもしっかりものの妹なのです。舌足らずでかなりカワイイ子です。小路と花緒のような娘がうちにいたとしたら、大抵のお父さんはデレデレになる事間違いなし!ですね。明日家の家族団らんの様子もまた必見です。

明日ちゃんのセーラー服5

この作品は、集英社のウエブコミック「となりのヤングジャンプ」にて隔月連載中の漫画家・”博(ひろ)”さんの同タイトル漫画が原作です。既刊9巻。2022年1月~3月に”BS11”・”BS朝日”、他にて全12話が全国放送されました。インターネットでは”dアニメストア”・”バンダイチャンネル”・”ニコニコチャンネル”・”U-NEXT”・”ABEMA”・”Amason Prime Video”他、多数の配信あり。

監督/”黒木 美幸”さん、シリーズ構成・脚本/”山崎 莉乃”さん、キャラクタ-デザイン/”河野 恵”さん、アニメーション制作/”clover Works

オープニングテーマ「はじまりのセツナ/蠟梅学園中等部1年3組」
エンディングテーマ「Baton/明日小路(村上まなつ)」
エンディングテーマ「風にまかせて/明日小路(村上まなつ)」

当たり前ですが、人生は一度きりです。そして人が生きていく時間には残念ながら限りがあります。後でやり直しがきかない人それぞれの自由なドラマ。全く後悔しない生き方が出来る人なんておそらくはいないんじゃないでしょうか。けれど、何も行動しないで後悔を山積みするよりも、行動した結果で後悔する方が後味がスッキリするんじゃないでしょうか。

平均寿命から言ったら私に残された時間は上手くいってもあと30年弱。限りある時間の中で実現可能な選択肢はだんだんと狭まっていきます。残りの人生の後悔を少なく意義のあるものにしていくためには、これからの今、目の前に存在する瞬間瞬間を大事に積み上げていく必要があると感じています。そして自分と接する人との触れ合いも限られた時間の中で限られた人とだけ可能になっていることを考えれば、もっと大事に扱わないといけませんよね。時間を大切に、人との出会いを大事に、そう思う今日この頃です。

見る参考になったよ、という方はぽっちいただけるとうれしいです。

にほんブログ村

人気ブログランキング

自分のスタイルを貫き通す生き方って大変だけどカッコイイよね。何よりそれが一番、自分らしい。「さよなら私のクラマー」

自分らしさって何だろう?自分にしかできないことって何だろう?オンリーワンは極めるべきこと?何があっても好きなことは諦めず、やり続けた方が良い?まわりに流されず、自分の信念は貫き通すべき?この作品・この主人公を観ていると、自分の頭の中にいろんな?がたくさん浮かんできます。作品の中で多くの問題提起がなされていることもあり、それを観るとフィールドは違えど、現状の私自身に対しても様々な問いかけをされているような気がしてなりません。

今回紹介いたします作品は、日本女子サッカーをとりあげたスポーツアニメ「さよなら私のクラマー ファーストタッチ」劇場版映画&「さよなら私のクラマー」TVアニメ版です。私の大好きな作品「四月は君の嘘」を描いた漫画家・”新川 直司”さんによる同名漫画が原作です。

劇場版映画は、2009年~2010年に月刊少年マガジンの増刊誌「マガジンイーノ」(講談社)で連載された「私のフットボール」が原作となっております。物語の大筋は、男の子と同じサッカースポーツ少年団で一緒にプレーするサッカーが大好きな女の子、主人公”恩田 希(おんだ のぞみ)”の姿を描いております。類まれなサッカーセンスと才能で男の子以上に活躍する彼女ですが、中学生になると男子との体格差・身体能力の差が出始め、持ち前のボールコントロールだけでは立ち打ちできなくなってきた中学2年の彼女。しかし彼女は男子サッカー部の中でそんなことはお構いなしに自分のサッカースタイルを貫き通そうと誰よりも努力を重ねます。そんな彼女の情熱みなぎる悪戦苦闘の青春を描いた漫画をアニメ化したものがこの劇場版映画です。

希が住んでいる地域には中学校に女子サッカー部はなく、クラブチームもないため、彼女は中学の男子サッカー部に所属していた。中学ともなると男子との体格差や体力差、いわゆるフィジカル面の差が現れ始め、ある試合の中で希は男子とぶつかって怪我を負ってしまう。それ以降、よりハードなプレーを要求される公式戦は怪我をするリスクが高くとても危険なため、「公式戦には出場させることはできない」と監督に言われ、希は試合に出れなくなってしまう。それでも希は試合に出ることを諦めず、出場機会が訪れることを信じて毎日、誰よりも練習に励んだ。

ある日、希は街中でかつてのスポ小のチームメイト、”ナメック(谷 安昭)”に出会う。希の誘いでサッカーを始めたナメック。希より小さく、希のことを親分と慕っていつも後ろにくっついていたスポ小時代の軟弱だった彼は、以前とは見違えるくらい大きくたくましく成長していた。一緒にいたナメックの後輩二人によれば、彼は江上西中学校サッカー部のキャプテンをしているようだ。藤第一中学校の男子サッカー部に所属してサッカーを続けているという希の今を知った彼は、希に対して挑発的な発言を投げかける。「サッカーはフィジカルだ。女のお前に何が出来る」と。対して希は「新人戦の試合で決着をつけてやる」とナメックに啖呵を切るのだった。

どうにか新人戦の公式試合に出てナメックと勝負したい希は、あの手この手を使って監督に猛アピールを試みる。しかし、監督は決して首を縦に振らない。それを観ていた同じスポ小出身の幼馴染で今もチームメイトである”タケ(竹井 薫)”と”テツ(山田 鉄二)”は、どうにか希を試合に出れるように協力をする。果たして希は新人戦・公式試合に出て旧友ナメックと決着をつけることが出来るのだろうか?

さよなら私のクラマー2

「さよなら私のクラマー」TVアニメ版は、この主人公”恩田 希”の高校時代を描いております。一人孤独だった中学時代を経て、高校では新たな価値感を持って女子サッカー部に入部し、サッカーを愛する女子の仲間たちと同じ目標に向かってサッカーに全力を注ぐ、彼女の青春ストーリーです。女子と一緒にサッカーをやっていたら自分のレベルが落ちてしまうという、彼女なりの理由で女子サッカーには興味がなかった彼女が女子サッカーに籍を移すこととなるエピソードは、劇場版アニメとTV版アニメにまたがっております。

そのあたりのお話もありますし、時系列でいくと、主人公”恩田 希”のサッカーとの出会いと、女子でありながら男子と同じ環境でハンデをものともせず、ひたむきにサッカーに打ち込む彼女の中学時代の姿を先ずは劇場版でご覧いただきたいと思います。それを観た上でTVアニメ版「さよなら私のクラマー」をご覧いただくと、TV版アニメから見るよりもお話が理解しやすく、面白さが2・3割アップいたします。

こちらのTV版の原作漫画は、「月刊少年マガジン」2016年6月号~2021年1月号まで連載され、全14巻が発行されています。原作をもとにTVアニメ化されて2021年4月~6月に”日テレBS”で全13話が放送されました。インターネットでは”dアニメストア”、”Amazonプライム・ビデオ”、”U-NEXT”の他、多くのチャンネルで配信されております。監督/”宅野 誠起”さん、脚本/”高橋 ナツコ”さん、キャラクターデザイン/”伊藤 依織子”さん、アニメーション制作/”ライデンフィルム”です。

日本男子サッカーと比較され、まだまだ人気スポーツと言い難い女子サッカーそのものの在り方と、それを支えている女子サッカー選手たちの様々な姿、そして日本女子サッカーを明るい未来へと牽引しようと努力するサッカー指導者たちにもスポットが当てられ、多面的に構成された”ドキュメンタリーチックかつ情熱的な、”女子熱血スポ根アニメ”に仕上がっております。

原作者の新川 直司さんは、日本女子サッカーが抱える現状課題をストーリーに織り交ぜながら描くことで、読者に女子サッカーにもっと注目してほしい、というメッセージ性を持たせながら作品を世に出されたような気がします。女子サッカーが強くなるためには競技人口が増えることは必須であり、先生はそれも想定した上で女子サッカー漫画を観てサッカーをやってみたくなる女子が増えるよう、カッコイイ女子を描いたのかな、なんて想像もいたします。

サッカーでは、カッコイイ足技・トリッキーな足技がいくつもあります。作品に出てくる彼女たちは時に試合の中で男子顔負けの足技プレーを披露してくれています。例えば、ドリブル中に相手に背中を見せながら体を反転して一瞬で反対方向へ切り返しドリブルで相手を抜き去る、フランス代表のジダン選手の代名詞”マルセイユ・ルーレット”。あるいは、ボールをまたいでフェイントをかけるドリブル”シーザス”。足の甲の外側(アウトサイド)で右に運ぶと見せかけて一瞬で足の甲の内側(インサイド)に乗せ換えて左に切り返すドリブル”エラシコ”など。女子サッカーアニメと侮るなかれ、「キャプテン翼」に出てくるアクロバティックな足技とは違った、サッカー上級者なら使いこなせるリアルでファンタスティックな個人技をとくとご覧下さいませ。

さよなら私のクラマー3

中学まではサッカーにおいては男女の区別を意識していなかった希。女子と一緒にサッカーをやっていたら自分の能力が衰えてしまうとまで彼女は思っていました。しかし、中学のサッカー部の顧問に希は諭されるのです。「高校に行ったら男女のフィジカル面の差はますます広がり、試合にはもっと出れなくなる。お前はそれでいいのか。せっかくの才能を埋もらすな。お前の力で女子サッカーを盛り上げていくんだ」と。

高校生になった希は埼玉県立蕨青南(わらびせいなん)高校の女子サッカー部に入ります。今まで男子サッカーしか知らなかった希ですが、同じチームに才能のある女子が何人かいることがわかり、次第に希の心はワクワクし始めるのでした。弱小だった蕨青南高校ですが、新1年生の中には俊足フォワードの”周防(すおう)すみれ”、中学全国3位になった戸田北中学のミッドフィルダー(司令塔)でU-15日本代表だった”曽志崎 緑(そしざき みどり)”がいたのです。一緒にプレーしてみて女子サッカーもまんざらでもない手ごたえを感じた希。

そんな弱小・ワラビーズに、女子サッカー界のレジェンド・元日本代表の”能見 奈緒子”がコーチとして就任するのでした。実は、能見は蕨青南高校の卒業生だったのです。着任早々、能見は全国優勝もたびたび果たすほどの神奈川県の強豪、久乃木学園と練習試合を組むのです。それは能見コーチのかつての恩師が久乃木学園の現監督をしているという人脈あっての特別な計らい。全国トップレベル高校と戦ってコテンパンにやられ、今の自分たちの実力を知ってなお這い上がれるチームかどうかを見極めるテストマッチと能見は考えていたのです。

当然ながら 力の差は歴然。21対0のシャットアウトで蕨青南は大敗します。女子でもすごいやつがいることを知った希は、打倒・久乃木学園を誓うのでした。しかし、久乃木学園とリベンジマッチを果たすためには蕨青南高校自身が実力で大会公式戦を勝ち進み、埼玉県代表校となって関東大会で久乃木学園と当たらなければ再戦はできないのです。同じ県下には、全国大会常連校の浦和邦成もいて、彼女たちの前に大きな壁となって立ちはだかります。

希たちはとてつもないその大きな目標に向かって突き進む決意をします。先ずは埼玉県代表になる。そのために私たちは強くなると。強くなるためには男子サッカー部と一緒に練習をさせてもらって実力をつける。しかし、世の中そんに簡単に事は運ばず・・・。能見コーチはコーチで、攻めの選手だったので攻め方は教えられるのですが守備の指導や戦術についてはからっきし駄目だったのです。課題が山積みのワラビーズ。彼女たちは本当に強くなれるのでしょうか?久乃木学園と再び戦う日は訪れるのでしょうか?

劇場版・TV版、どちらの作品も、主人公・恩田 希の真っ直ぐな生き方が作品の軸と言えるでしょう。サッカーが好きだからひたすら練習する、試合に出たいから監督に魅せるプレーで猛アピール、試合で自分が得点を決めたいから、ボールが回ってくるまでは力を温存し、ここぞというチャンスに集中して全力でゴールを目指す、自分のプレースタイルは絶対に変えない(テクニックで相手をかわしてゴールする) 。

さよなら私のクラマー1

すべては希が自分でやりたいこと、成し遂げたいことに向かっての積み重ね・行動なんだと思います。それを推し進める強い気持ちこそが彼女の原動力。サッカーの中では、人々を魅了するプレーをする人のことを”ファンタジスタ”と呼びます。特に攻撃のポジション(ゴールを決める)の人に使われる言葉で、特別な人だけがそう呼ばれます。彼女のサッカーは目指すところ、人々を魅了するようなサッカー、そして成りたいのはそのファンタジスタ”なのでしょう。周りもきっと、彼女にそのファンタジスタになってもらいたいと期待を込めています。日本の女子サッカーの未来も同時に託して。

かつての日本女子サッカーチームは、2011年FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会において、日本男子でさえも前人未踏である”優勝”という偉業を華々しく成し遂げたのでした。ちなみに”なでしこジャパン”を優勝に導いた立役者”澤 穂希”さんは大会得点王&大会最優秀選手賞の栄誉も手にしました。その大躍進は、東日本大震災が起こったその年のとても晴ればれとした出来事であり、日本人にとって大変勇気づけられるトピックスだったと思います。その翌年にはロンドンオリンピックで銀メダルにも輝いています。男子サッカーの存在に埋もれていた女子サッカーですが、これらの出来事で一気に女子サッカーが注目されることとなります。

しかしながら、ワールドカップ6度出場のギネス記録保持者でもある日本女子サッカー界のレジェンド・澤さんが2015年に引退して以降、大きな国際大会での日本の戦績はやや後退しており、澤さんに代わるようなスーパースター選手も鳴りをひそめてしまったかに見えるのが現状です。これから先、好戦績とスーパースターの存在という歯車がうまく噛み合うことが出来れば、日本女子サッカーは再び輝きを取り戻すことが出来るでしょう。そうした日がまた訪れることを私も願っております。

この作品、「さよなら私のクラマー」というタイトルの中の”クラマー”とはいったい何なのか?どこからきているのか気になりませんか?クラマーとは人の名前です。ドイツ・ドルトムント出身のサッカー選手であり、サッカーの指導者でもあったデットマール・クラマー。彼は1960年に日本サッカー界に招かれた外国人コーチで、サッカー日本代表の基礎を作った人であり、日本サッカーリーグ創設にも尽力されたことから、「日本サッカーの父」と言われています。

原作者の新川先生はサッカーが好きで、彼が亡くなった後に彼を忍んでこのタイトルをつけたのではないかと言われているようです。それともう一つ、日本サッカー界において、サッカーは男性だけのスポーツという枠から早く女子サッカーが脱却して、女子独自のサッカーというポジションを確立すべく未来へ独り歩きしていってほしいという願いもあり、このようなタイトルをつけたのでは?という説もあります。いずれにしてもとても感慨深いタイトルだなって思います。

人より抜きん出た才能を持つ人は希少なだけに我々の知らない孤独との戦いも背負っているようです。個人プレーならそれもありですが、チーム競技では競技人口が少ないことでその才能が伸び悩む危険があるという事も無きにしも非ず、という事でしょうか。一人の少女のサッカープレースタイルから見える、自分のしたいことを貫き通すぶれない生き方、あるいは決して途中で投げ出さない、最後まであきらめない気持ちの持ち様など学ぶべきところもたくさんあります。また、女子サッカーの課題から見える、各スポーツやその他の組織にも繋がる組織づくりの在り方など、結構、奥深いことまで描かれている作品かと思われます。女子サッカーに興味がある人にはもちろん、そうでない人にも十二分に楽しめる作品ですので、ぜひ、一度ご覧くださいませ。

オープニングテーマ「AMBITIOUS GOAL/小林 愛香」

見る参考になったよ、という方はぽっちいただけるとうれしいです。

にほんブログ村

人気ブログランキング
プロフィール

takapon46

Author:takapon46
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マジンガーZにパイルダ~オン!ヤマトと999の主人公達と一緒に旅していたアニメ世代の私も今は40歳。嘘です。年齢だけは立派な50歳になりました、てへぺろ。40歳を過ぎた頃から再び、アニメの世界へ戻って来まして、今は専ら深夜帯アニメに夢中です。私なりに選りすぐりだと思うアニメを紹介しておりますので、良かったら覗いていって下さいね。

処方箋(カテゴリ)
最新コメント
いらっしゃいませ!  カウンター
information
RSSリンクの表示
リンク
当ブログはリンクフリーです。
メールフォーム
相互リンクの方は恐れ入りますが、こちらからコメントいただけるとありがたいです。

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
information