自らが前に進もうとしなければ、自分が望む明日は永遠にやってこない。「灰と幻想のグリムガル」

前回に引き続き、今回紹介する作品もジャンルはハイ・ファンタジーのアクション系で、主人公が異世界に転生し、その世界で冒険を繰り広げる物語です。冬アニメで、面白いと思った作品に異世界ものが2つ入りましたが、おすすめ順からしても素直にこの2つを取り上げることにしました。「この素晴らしい世界に祝福を!」が、同じ異世界転生の作品であってもコメディ路線であるのに対して、今回のアニメはそれとは正反対で、シリアスな正統派の異世界・冒険作品であります。

タイトルは「灰と幻想のグリムガル」です。

この作品はライトノベル作家”十文字青(じゅうもんじあお)”さんのライトノベル作品(2013年6月~現在まででオーバーラップ文庫より既刊8巻)が原作となってアニメ化され、2016年1月~3月にBS11他で放送になりました。全12話。制作は、毎年コンスタントにヒット作を輩出しているA-1Picturesという会社です。 この作品タイトルは意味するところがすぐさまわからないところがまた良くて、見進める内にそれが次第に明らかとなって行きます。

オープニングテーマは、主人公たちのつかの間の休息と戦いに挑む出で立ちに変わる場面によって、戦士のオンとオフが表現されており、本編は共に冒険する登場人物たちのリアルなアクションシーンと、それと平行して各キャストの内面と互いに交わす心の交流がじっくりと描き出されております。エンディングテーマは物語の回想シーンの映像とこの作品の世界観にピッタリの音楽で余韻に浸れる締めくくりになっております。

生きるって、簡単じゃない。記憶も、お金も、特別な力も___ 何もない僕たちが手に入れた現実。
この作品のキャッチコピーですが、かっこ良すぎますね。このコピーだけを見ても、すでにこれだけをおかずにしてめし3杯かっこめるぐらいの作品の良さを予感させてくれます。

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「目覚めよ」という声が聴こえ、主人公”ハルヒロが目を覚ますと、目の前には見知らぬ闇の世界が広がっていた。自分の名前を覚えている以外はすべての記憶が無いようである。自分が今までなにをしてきたか、どういう人間で、善人か悪人なのかさえもわからない。時を同じにしてそこで目覚めたものたちはハルヒロを含めて12人。その暗闇からおもむろに外に出た12人が目にしたのは、空に赤い月が映しだされる世界であった。その中にいた”レンジ” という男はさっさと動きの良さそうなものを仲間に誘い、パーティ(チーム)を組んでその場からいなくなってしまった。

その場に残されたのは6人。これからどうして良いのかわからないものたち、ハルヒロら6人の前に、ある案内人が現れる。彼の誘いでハルヒロらは”義勇兵レッドムーン”という事務所を訪れた。その事務所の所長が言うには、この世界では人類とモンスターが常に戦っているらしい。そして、この世界にいる人間はそのモンスターと戦う”義勇兵”となるか、それとも義勇兵にならずに街でほそぼそと生きていくかを選択しなければならないのだと。ハルヒロたち6人は、義勇兵になる道を選択する。そして、義勇兵の見習いとしてまずはその登録を済ませるのであった。

その職業紹介所らしきところで微々たる準備金を手に、その後6人は、自分の好きな義勇兵のclass(職業)を選び、その師匠のもとで基本技能やスキルを学ぶこととなる。ハルヒロのパーティは”マナト”と”ランタ”と”モグゾー”の計4人の男子と、”ユメ”、”シホル”の女子2人。モグゾーが戦士、マナトが神官、ハルヒロが盗賊、シホルが魔法使い、ランタが暗黒騎士、ユメが狩人を選び、それぞれが師匠のもとで数日間、基本技能を習得し、どうにかパーティとしての体裁を整えた6人であった。

そしてこの世界”グリムガルの地”で彼らの冒険はいよいよ始まり、6人はまず、グリムガルで最弱と呼ばれる”ゴブリン”を倒しに向かった。しかし、いざ6人で戦闘を行うがコンビネーションはばらばらで、個人個人の能力もまだ低く、実戦はなかなかうまくは行かない。それどころか自分たちが逆にやられそうになる危険な場面も多々あり、成果は思うようには挙げられずにいた。来る日も来る日も一匹足りともゴブリンを倒すことは出来ずに日にちだけが経過してゆく。そうこうしている内に、持ち金が間もなく底を尽きそうになる。彼らに光明は射すのでしょうか?そしてこの先、それぞれが自分の過去の記憶を呼び覚ますことはあるのでしょうか?

無題

音楽・映像・ストーリーが相まって、この作品は独自の世界観がしっかりと形作られています。最初から最後まで一貫して方向性がぶれていないところがこの作品の素晴らしいところで、見進めるうちに自然といつしかその世界に心が吸い寄せられていきます。ストーリーはかなりゆったり目で、主人公たちは決してすぐさま強くはなりません。回を追うごとに着実に強さを増して行きますが、時に心情的に弱く立ち尽くすこともしばしあります。けれども心を収め、前を向いてまた仲間と共に歩み出すのです。

前回紹介した「このすば」とはまた違った切り口で、人間の泥臭さを全面に出した作品といえると思います。このアニメの登場人物たちは、それぞれが互いを察し、関わりを持とうとする中で見つける、相手を敬う心や共存していくために自分の役割を果たそうとする行動が真っ直ぐで、現実社会に置き換えてとらえたとしても、とても共感が持てます。

そして、リアルな世界で生きることは日々生活されている皆さんが個々で感じているように、それぞれの事情の中で大変なことばかりと思いますが、この作品の中の苛酷さを考えると今の自分の現実はまだ衣食住にも恵まれていて、ましてや自由な生き方が選べるだけ幸せなんじゃないかと思えてしまいます。作品の中の彼らは前に進むことしか出来ないのです。それは常に死と隣り合わせの環境下に置かれて生きているからです。自由にかこつけて何もしないのはもったいないことであることを私たちに語りかけているように思えます。そしてまだ自分は何かをやれる、となぜか客観的に前向きな気持ちにもなれたりします。
自らが前に進もうとしなければ、自分が望む明日は永遠にやってこないとでも言っているような、そんな作品です。

私達が手に入れた現実は満足の行くものですか?人によって満足の尺度は違いますが、小さいながらも目に見えにくい幸せは私達のすぐ近くにきっとあるはずです。この作品を見てそれを感じてみませんか?

オープニングテーマ「Knew day/(K)Now_NAME(ノウネイム):Ayaka Tachibana」
エンディングテーマ
第2話~11話「Harvest/(K)Now_NAME(ノウネイム):NIKIIE(ニキー)」
第12話「Cultivate/(K)Now_NAME(ノウネイム):NIKIIE(ニキー)」

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